この連載では、これからICTを実践する学校/先生方を想定読者として、「ICTを使って、こんな実践ができますよ」というのを、実践事例の引き出しとしてご紹介していきたいと思っています。端末やシステムの機能ありきでなく、教育手法としてどうなのか?というところに焦点をしぼって紹介します。
「授業の中での導入部分で5分だけ使う」「プレゼンテーションの動画を撮影して、みんなでレビューする」などのように、特定の目的にピンポイントでICTを利用している様子を紹介していきます。
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今回は、桜丘中学・高等学校 安部早苗先生の、高1数学の授業からの「グッドプラクティス」の紹介です。
安部先生の授業では、生徒たちは教科書を自分の好きなように活用をしています。紙の教科書を使うもよし、教科書のページを撮影して、そのデータに手書きでポイントなどを追記していました。すべてがデジタルになってしまったときに、「書くことによって記憶が定着するのに、それができなくなる」と危惧されている先生は多いと思いますが、こうした折衷案もあるのかと思います。
手書きノートをページごとにタブレットで撮影して保存しておき、いつでも見られるようにしておく、という方法にも発展できるかと思います。そうすることで、3年間を通じて、どの授業のノートもすぐに見ることができる、ということが可能になります。自分のタブレットを持っている、桜丘高校だからこその使い方ですが、今後、生徒たちの手書きノートとタブレットの中のノートがどのように融合していくのかは、非常に興味深いです。
(研究員・為田)
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教育ICTリサーチでは、ICTの利活用について、目的を以下の9つに類型化しています(詳細はこちら)。(1)興味喚起(2)モチベーション喚起(3)理解促進(4)授業効率化(5)進捗、理解度確認(6)教材拡充(7)表現、思考手段拡充(8)家庭との情報共有(9)学習環境拡充
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