この連載では、これからICTを実践する学校/先生方を想定読者として、「ICTを使って、こんな実践ができますよ」というのを、実践事例の引き出しとしてご紹介していきたいと思っています。端末やシステムの機能ありきでなく、教育手法としてどうなのか?というところに焦点をしぼって紹介します。
「授業の中での導入部分で5分だけ使う」「プレゼンテーションの動画を撮影して、みんなでレビューする」などのように、特定の目的にピンポイントでICTを利用している様子を紹介していきます。
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今回は、桜丘中学・高等学校 倉田豊子先生の、高1英語の授業からの「グッドプラクティス」の紹介です。
倉田先生の授業では、新出英単語の確認を電子教科書のフラッシュカード機能を使って行っていました。そのため、簡単に「もう一度最初から再生」などもできるようになっています。CDなどで音声を読むというのだと、どうしても先生はCDプレイヤーがあるところから離れることができず、机間巡視や教室の後ろの方の生徒たちへの指導などができませんでしたが、前述したとおり、倉田先生はiPadを無線でプロジェクタに繋いでいるため、教卓付近にいる必要がありません。そのため、発音のチェックを教室全体に対して行うことができます。
こうしたケースは、ICTの導入によって先生が「これまではしなくてはならなかったこと=この場合は、教卓付近で音声再生のために待機」から解放されたケースです。その代わりに、先生は教室全体を歩きまわり、生徒たちの発音に耳を傾け、指導をする、ということが可能になりました。