凸版印刷が、トッパン教育情報化セミナーを2015年2月14日に東京・トッパン小石川ビル2F PLAZA21にて開催しました。金沢星稜大学・村井万寿夫教授による特別講演「タブレット端末の活用を最適化する授業設計」についてレポートします。
2月11日に大阪で開催したセミナーでは、教育委員会の方をパネルディスカッションに招いたのですが、今回の東京会場では、現場の先生方をパネルディスカッションに招きました。そのため、村井先生にお願いした講演も、「タブレット端末×授業設計」というキーワードでお願いをしました。
Twitterでまとめた要点に、コメントをはさみながらレポートしたいと思います。
授業設計「導入」「展開」「まとめ」
続きまして、金沢星稜大学の村井万寿夫先生。「タブレット端末の活用を最適化する授業設計」。 #トッパン教育情報化セミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
授業設計の基本10を説明。目標(ねらい)に迫る学習展開の工夫、のところに、ICT・タブレットが入ってくるということになる。 #トッパン教育情報化セミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
よい授業の要件10を説明。県や市によって、こうした要件って違うのですね。石川、金沢では、課題設定までの時間は5分とか10分だそうです。(研究員・為田) #トッパン教育情報化セミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
「分かる授業下の学習状況」、課題が児童生徒のものになることが重要。ワークシートでもタブレットでも電子黒板でもかまわない。課題がわかっているかどうかが重要。 #トッパン教育情報化セミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
ここで村井先生がお話してくださった、「課題が児童生徒のものになることが重要」であり、課題がきちんと伝わるならば、紙のワークシートを配ってもいいし、電子黒板で提示をするのでもいいし、もちろん1人1台のタブレットで見せてもいい、ということだと思います。
授業を「導入」「展開」「まとめ」に分けて、そのそれぞれのパートで「分かる」とはどんなことかを説明していただきました。
展開としては、主体的に追及しているかどうか。読んでいる、調べている、計算している、観察しているなど…何をしているかをみとることができればいい。 #トッパン教育情報化セミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
まとめとしては、「何をまとめればよいか分かる」。自分でまとめている、書いている、話している。 #トッパン教育情報化セミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
ここから、長年現場で教壇に立たれていた村井先生の経験に裏打ちされたお話が伺えました。
小学校の先生を26年間やってきた村井先生の考えとして、「導入」「展開」「まとめ」と3つに区切るよりも、7つの分節で分けられるのではないかと思った。 #トッパン教育情報化セミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
7つの分節は、「既習の想起」「課題の設定」「方法の考察」「追及」「結果」「確かめ」「次時の予告」。それぞれに教師の意図が結びつく。 #トッパン教育情報化セミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
分節レベルで意図を明確化し、意識に沿ったものにする。 #トッパン教育情報化セミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
村井先生による授業の分節と意図の解説です。 #トッパン教育情報化セミナー pic.twitter.com/pACVpKJNQf
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
タブレットを導入したからといって、授業のやり方が変わるわけではありません。あくまでも主軸になるのは授業。児童生徒に「学習のねらい」「学習のめあて」がきちんと届いているか。授業の王道について説明をしていただいたように思いました。
また、LMS(Learning Manangement System)についても触れ、児童生徒一人ずつの学びの過程が見えるLMSは、1人1台のタブレットが配備されることによって、より可能性が広がる、とおっしゃってました。
LMSは、タブレットの配布によって、より効果的になる。ネットに繋がることで、それが実現される。 #トッパン教育情報化セミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
「学習のねらいの共通性」と「学びのスタイルの多様性」
タブレットはどんどん導入が進んでいるが、うまい事例もそうでない事例もある。格好が違っても、授業のねらいはどこでも同じだ。教科書の単元の名前が違っても、ねらいは同じ。ここにあるのは共通性。
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
タブレットを利用するかどうかは、学びのスタイルの多様性だ。 #トッパン教育情報化セミナー
タブレットを導入しても、授業で伝えるべきこと=ねらいは同じ。ただ、どう学ぶかというスタイルを多様にすることができる、というお話でした。
タブレットのいろいろな使い方を模索しながら、最適になっていく=多様性のある教え方が出ながら、共通である「課題に迫る=ねらい」という視点をもつこと。授業者にも、教育に参加する人にも、こうした観点が重要だと思う。 #トッパン教育情報化セミナー
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2015年2月14日
このあたり、当たり前すぎるポイントなのですが、「タブレットの導入」が急速すぎるペースで進んでいる学校などでは、ときどき置き去りにされている議論なのではないかと思います。
あくまでも、軸は授業。先生がわかりやすい授業をするお手伝いをする、そのためのICTなのだ、ということ。また、今までの授業のやり方ではわからなくなっていた児童生徒に、違った学び方をもたらすためのICTなのだ、ということを再認識しました。(研究員・為田)