最近、さまざまな教育委員会に行き、教育長や指導主事の先生方とお話をしていると、「算数をできるようにしてあげたい」ということをよく言われます。先生方のそうした話を伺って、では、算数はICTを使って教え方を良くすることができるだろうか、と考えています。
「算数は、どうやったらわかりやすく教えられるだろうか」というのは、現状、僕にとって非常に興味がある内容なのです。先日は、元・教職の先生から、参考文献を大量にお借りしました。ひたすらに、研究中です。ある程度、自分のなかで考えがまとまってきたら、おつきあいのある先生方にどんどんお話を聞いてみようと思っていますので、その際にはよろしくお願いします。
そんななか、「プレジデントFamily」の10月号の特集が、算数パーフェクトガイドになっています。
最初の特集は、“「うちの子、算数はダメ」と決めつける前に 成績が急上昇した子に聞く ぼくがわたしがハマったきっかけ”でした。そこでは、算数が苦手な子を3つの類型に分けて紹介していました。さらに、その中に、どうしてなのかというのが分類されています。「○○が苦手」が3パターン、そのそれぞれに2つずつの「できない理由」が書かれています。
- 計算が苦手
- 計算が遅い
- 計算ミスが多い
- 文章題が苦手
- 立式できない
- 実は国語も苦手
- 図形問題が苦手
- 公式が使えない
- 図形がイメージできない
タイトルだけだと、あまりどんなものかがわかりにくいのですが、中には、「ノートに描くと何度も間違えて消しゴムを使って、ノートが汚くなっちゃう」という例があがっていました。そうならないように、ホワイトボードを使うことで計算が楽しくなった、と。この子は、「計算を何度も間違えて、消しゴムで消しているうちにノートがぐちゃぐちゃになっていやになっちゃう」というのが原因だったわけですね…。算数にハマる理由は本当にいろいろだなあ、と思いつつ、こうしたノウハウをどんどん共有できれば、先生方が「あ、この子はもしかしたら、ホワイトボードで計算させてみたら違うかも知れない…」とか試してみることができるかもしれません。こうしたノウハウ共有って、TwitterやFacebookなどデジタル媒体で、どんどん広げていけるといいのではないかな、と思いました。もちろん、教育委員会がハブになって、そうした情報共有を気軽に簡単にできるようにする、というのも大切かな、と思います。
算数の指導法を調べているうちに、東京都教育委員会が出している、「改訂版 児童・生徒の学習のつまずきを防ぐ指導基準東京ミニマム」というのを見つけました。平成22年と書かれていますから5年前ですね。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/shidou/manabiouen/minimum_02.htmwww.kyoiku.metro.tokyo.jp
この、第3章が算数科・数学科になっています。PDFファイルを開いてみると、細かく領域ごとに検討が加えられています。
先日結果が公表された全国学力調査についても、問題ごとに正答率や、どんな誤答が多かったかなどを教育委員会や学校ごとに検討しているところもあります。
それらもまとめて、ノウハウをどんどん共有していくのも、間接的ではありますが、教育のICT化だと思うのです。
時間にゆとりがない先生方が、指導法を一人で研究するのはやはり大変で、ICTを使って多くの先生方と繋がって、ノウハウをどんどん共有して、新しいアイデアを得て、「あ、これはうちのクラスには使えそう」とか「このままでは使えないから、ここをちょっと変えてやってみよう」とか、どんどん実施できればいいな、と思います。
小学校低学年の頃の算数は、「勉強したらできるようになった!」と感じさせるのに非常に適している教科だと思っているので、「どう算数を教えればいいのか」を、先生方の知見を伺い、さまざまな先行研究や先行サービスを参照にしながら、自分たちなりに深めていきたいと思っています。
(為田)