教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

ICT×美術教育 #02: 自分の顔写真を使って、要素の大きさ・位置関係を知る

 フューチャーインスティテュートの前田です。美大卒の教育コンサルタントです。この連載では、ICTを使ってこんな授業ができるのではないかというアイデアを紹介していきます。

 今回は、美術での授業案です。美術は、授業数が他の教科よりも少なく、週1~2コマしかないので、授業は、できるかぎり児童生徒が作品を制作する時間に充てることが多いかと思います。今回は、自画像を制作するときに、児童生徒の理解促進を目的とした活用方法をご紹介いたします。

 美術の授業で自画像を描くことは、おそらくどの学校でも実施されている単元だと思います。人の顔は、普段から見ているので、とても身近ですが、いざ描くとなると非常に難しいものです。特に、子どもたちにとっては、マンガやアニメの影響があるからか、目が大きくなったり、目・鼻・口のパーツの位置や大きさを正しく観察できない傾向があります。そこで、目・鼻・口などの顔のパーツの位置関係やサイズについて着目することを事前に説明することがあるかと思います。その際にデジカメまたはiPadを使って、自分の顔を撮影し、撮影した顔写真を使って、パーツの説明をします。
 自分の顔が教材になることも、興味をひきますが、その顔写真に書き込みをするというのも、子どもたちにとっては楽しめる要素になるかと思います。また、自画像として、これから描くモチーフ自体なので、本物を使っての説明は、他の誰かの写真や絵を使っての説明よりも、わかりやすく説得力があります。
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 普段見慣れすぎているものは、主観的なイメージが先行してしまいがちで、なかなか客観的に観察することが難しいものです。自分自身の顔写真を教材にすることで、子どもたちの興味をひきつつ、客観的に顔のパーツ関係を観るための説明教材として活用できるかと思います。

(前田)