10月7日に、京都教育大学附属桃山小学校を訪問しました。きっかけは、島根県出雲市檜山小学校 足立賢治校長(島根県メディア教育研究会会長)から、木村明憲先生を、「全教科で実践する情報活用能力を研究しておられます。PCなしでも実践できる授業です」とご紹介をいただいたことです。
情報活用能力 学習支援カード(パワーチェックカード)
教室に入って、最初に気づいたのはパワーチェックカード。児童は、パワーチェックカードを下敷きにして使っています。これで、児童はいつでもどんなスキルを使えばいいのかが確認できるようになっています。見学したのは4年生のクラスでしたので、4年生のチェックカードを使っています。裏面には、3年生のチェックカードが印刷されていて、すぐに前年度のものもチェックできるようになっていました。
▼パワーチェックカードは、以下のサイトでダウンロードできます。
www.pef.or.jp
スキルそれぞれに、“正の字”が書かれていて、そのスキルを使ったら児童が自分の判断で一画ずつ書いていくそうです。先生は時々チェックをしているそうです。
木村先生は、「正の字の欄を作っておくことで、がんばり勉強(家庭での自主学習)などのときに、使ってみようというモチベーションになる」とおっしゃっていました。正の字は点線で書かれているので、「正の字を完成させたいから、使いたい」という気持ちが生まれます。最初はそうしたゲーム感覚であってもいいので、まずは「どう考えればいいのだろう」と“考え方を考える”“学び方を学ぶ”きっかけとなることが大事だとおっしゃっていました。また、これにより先生方も手段と目的を混同せず、授業設計をできると思いました。
正の字になっているということは、一度使って終わりではないということです。同じスキルを何度も使うように設計されているということです。どうやってスキルを使う機会と複数回出会わせるか,が先生の技術になると思いました。前に使ったことがあるスキルを、違うコンテクストの中で使ってもらうように設計すると、「え、またこれ?」ではなく「先生、これ国語でやったのと同じやりかたでいいよね?」と社会の時間でも言ってもらえると思うのです。そのようにスキルが登場するような授業設計を行うことが、先生の技術だと思います。
カードは、木村先生がオリジナルで作り上げたものです。もともとは高学年用に、イラストだけであったものを、文章をつけて、学年も全学年に広げて、「情報を集める」「情報をまとめる」「情報を伝える」と活用の領域ごとにまとめられています。
多くの人に使ってもらうことで、フィードバックがかかるので、広がることは大歓迎と木村先生はおっしゃっていましたので、ぜひ使ってみていただければと思います。このブログのコメント欄でもFacebookページでも、コメントをいただければ、木村先生にお伝えしたいと思います。
次回は、見学させていただいた算数の授業をレポートしていきます。
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(為田)