ときどきですが、英語を使った仕事をすることがあります。ミーティングをしたりするときはもちろんですが、資料を読んだり、やりとりをしたり、さまざまな形で英語を使っています。「ああ、どうしてここが伝わらないのだ…!?」と思うこともたくさんありますが、それよりもずっと「英語でのコミュニケーションが世界を広げてくれている!」という実感があります。それが本当に楽しい、と思っています。
僕が英語を学校で学んだときとは違い、2020年度からは、「外国語活動」が、小学3・4年生で必修化となり、5・6年生では正式な教科としての「外国語(英語)科」の授業が始まっています。この動きに伴い、文部科学省のYouTubeチャンネルに「なるほど!小学校外国語」の動画が3本アップされていて、文部科学省初等中等教育局視学官である直山木綿子 先生が説明をされています。それぞれ30分ちょっとずつある動画ですが、見てみることで小学校での外国語の学び方について知ることができるのではないかと思います。
なるほど!小学校外国語 1 言語活動
1本目の動画のテーマは「言語活動」です。小学校では、言語活動を通じて、英語を話せるようになっていくということです。言語活動とは、実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合う活動のことです。音声だけではなく、文字も含めて考えや気持ちを伝え合う場面を通じて学んでいきます。
英語の授業の中で、先生に「Repeat after me.」と言われて、先生が言う文章をそのまま読んで練習…というのをよくやっていましたが、あれでは「子どもたちの気持ちがないのではないか」と直山先生は言います。本当に大事なのは、「自分はこう言いたい!」というモチベーションを作ることで、そのためには場面を作ることと、先生がモチベーションを喚起することが必要だと思いました。
動画の中で、「母語を習得したのと同じように、コミュニケーションを通じて言語活動をしていきましょう。そのために、授業でのコミュニケーションの目的や場面、状況などを設定していきましょう」と言われていました。そのときに、相手意識を持ってコミュニケーションをすること、「ほんもの」の場面であることを大事にして、言語活動をしていきましょう、と言われていました。
この部分については、ICTを活用することでできることはたくさんあるのではないかな、と思っています。「ほんもの」の場面であることはちょっと劣るとしても、「自分の話したいこと・知りたいこと」は児童それぞれで違うので、それをどんどん広げていくところは学びの個別最適化が得意なところだと思います。また、「誰とでも話せるようにICTで教室を外部と繋げる」ということもできることだと思います。
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なるほど!小学校外国語 2 読むこと 書くこと
2本目の動画のテーマは「読むことと書くこと」です。今年度から、5年生・6年生では「読むこと」「書くこと」の指導が始まります。僕が中学校で英語を習ったときには、まさにアルファベットの読み書きから英語の授業は始まったように思いますが、それと同じではなく、文章を何度も何度も使って文字を読んだり書いたりする授業の仕方が動画の中で紹介されています。文字を書けるようになることと文章に接していくことと、それを何度も何度も繰り返しながら、言語は身につけていくものだと思います。直山先生は動画の中で、「アルファベット一文字ずつの“木を見る”やり方と、文章を何度も何度も使って親しんでいく“森を見る”やり方と、両方を繰り返し繰り返しやっていく」というふうに説明されていましたが、まさにそうだと思います。
このあたりも、文字をどれくらい読み書きできるかによって、個別に学びを進めていけるところだと思いますので、ICTで学びの個別最適化と合わせてサポートしてあげることは近道になると思います。そのうえで、「できるようになったこと」をどんどん先生が褒めてくれれば、英語を使うことが楽しくなると思います。
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なるほど!小学校外国語 3 学習評価
3本目の動画のテーマは、「学習評価」です。5年生・6年生については、外国語「活動」から外国語科という「教科」になったので、評価をどうするか、授業の目標をどうするか、ということが説明されていました。学校の先生方にとっては、「評価」はとても大切なことです。どんなふうに評価をしていけばいいのかという点について、非常に勉強になりました。
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