教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

やってみた:小学校でプログラミング・ワークショップ

 息子が通っている公立小学校でPTA主催のおまつりがありました。PTA会長として関わって今年度で3年目なのですが、今回初の試みとして、先生2人と一緒にプログラミングのブースを作ってみました。今年度からiPadが40台配備されたので、プログラミングを実際に子どもたちにやってみてほしいということと、先生方に「こんなかんじでできますよ」ということを見てほしいというのを目的にして実施。

 2時間のおまつりのなかで、すべての学年の児童が来ても大丈夫なオペレーションを組まなければならなかったので、2人1組でiPadを使ってもらい、15分で1回転するワークショップを僕と2人の先生で3グループ作って実施しました。
 ワークショップは、「水族館をみんなで作ります」というテーマで行いました。その水族館の水槽にあたる、共有スペースを最初に作っておきます。
 そして、ワークショップで子どもたちに「魚の描き方」と「魚の動かし方」を教え、実際にやってもらい、手元のiPadから教室のプロジェクタでスクリーンに投影してある共有スペース(水槽)を見て、自分の魚が動いているのを確認する、という方法をとりました。

共有スペースの準備

 事前準備として、Viscuitのサイトへ行って、「ビスケットをおしえる」のところから、コードを発行してもらって、そのコードを使って水族館の水槽を用意しました。
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水槽を見られるスクリーンの準備

 事前に用意しておいた共有スペース(水槽)をタップして、最後にいちばん右の四角いボタンを押すだけです。それをプロジェクタで投影しました。
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進行案の準備

 進行案として、先生に配ったのは、写真のようなA4 1枚の進行案。これをお渡しして、1回ざっと自分で作ってもらうだけでOKでした。
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 教えているのは、「色の選び方」「線の描き方」「やり直し(Undo)の方法」「メガネの使い方」だけです。これだけでも子どもたちは本当にいろいろ作ることができます。

完成した水槽

 あまりにたくさんの魚ができあがるので、2時間のワークショップの間に水槽がいっぱいになりすぎてしまったので、僕と2人の先生とでタイミングを合わせて、使うスペースを変えました。全部で3つの水槽が完成しました。動画で残したものが以下のものです。

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やってみての感想

 2時間、あっという間に過ぎました。感想としては、まず、やっぱり「先生、教えるの上手」ということ。簡単な進行案から、子どもたちがのめりこめるようにストーリーを足して説明しているのを聞いて、上手だなあ、と思いました。たった15分のワークショップだったので、今回はただ、「動かせる」ということができればよかったのですが、ここにさらに、条件付けを入れたり、「どう考えてこういうメガネにしたのか?」というのを発問をしたりすれば、もっと論理的な思考や想像力/創造力を育てられる活動になりそうだと感じました。
 それから、先生方がたくさんワークショップに子どもたちと一緒に参加してくれたのもよかったと思います。「先生も一緒に作る」って、子どもたちには楽しいことだな、と改めて思いました。

 保護者の皆さんの中には(特に、お父さん)は、「これ、何というアプリですか?」「フリーですか?」「家でもできますか?」というような質問をくださった方もいたそうです。大変ありがたいと思いました。今回のようなワークショップはあくまで入口で、ここからさらに「もっといろいろやりたい!」という児童には、発展編を職業としてエンジニアやプログラマをやっているお父さんも多そうなので、PTAのボランティアとして参加してもらうといいな、とも思いました。

 今回のワークショップは、使った備品も、ネットワークも、すべて小学校のものなので、今回のが実現したということは、学校の授業でも実施できるということなので、ぜひ進めていってもらえればいいな、と思いました。

(為田)