教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

横浜市立勝田小学校 PTA活動(授業)レポート No.2(2021年10月13日)

 2021年10月13日に、横浜市立勝田小学校を訪問させていただきました。6年2組の授業を参観させていただいた後、サポートに入っていた保護者の方にお話を伺いました。

 一人1台のiPadを活用する授業のサポートに入ろうと思ったきっかけを伺うと、「子どもが一人1台を学校で使うようになって、子どもが先に進んでいく。それに取り残されないように、自分も知識を少しずつでも取り入れたいと思った」「授業で子どもたちが一人1台のiPadを使って何をしているかがわからなくならないように」というふうにおっしゃっていました。
 iPadを活用した授業も、勉強の仕方も、いままさに現在進行型で学校で行われ始めているところなので、PTAの方が関わりながら、「どんな授業がされているのか」に興味を持ってもらうことは、先生方にとってもいいことだと思います。

 実際に授業に入ってみると、どんなところでつまづいているかもわかります。内容的なところで手が止まっている子どもたちには、先生が声をかけてあげる必要があると思いますが、操作的なところで手が止まっている子どもには、PTAの方のサポートがありがたいこともあると思います。
 この日の授業中にも、「iPadとキーボードの接触が悪くて認識されないことが多い」という伝達があり、キーボードが認識されない子たちのサポートもしていました。そうしたハード面でのトラブルにも、「こうして対応してください」というふうに情報共有がされれば、それぞれのクラスで対応ができるようになっていくと思います。
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 勝田小学校のPTA会長 宮﨑亮 さんに、どのようにPTAの授業サポートを運用しているのかを伺いました。「詳しくなくてもいいですよ」と伝えて有志を募り、現在は18人が参加してくれているそうです。
 ICTの使い方については、授業のなかでやっているうちに覚えていく、というだけでなく、ICT支援員さんにロイロノート・スクールの研修もしていただいたそうです。
 また、授業サポートに参加している保護者の方々とは、誰でも参加できるLINEオープンチャットを使って情報共有をしているそうです。翌週の授業予定が木曜日に決まり、それを金曜日にPTAで共有して、サポートに入れる方を募る、という方法をとっています。
 また、スケジュールだけでなく、それぞれの学年で「どんなふうにiPadを使っているのか」「どんな課題があってそれにどう対応したのか」ということについてもLINEオープンチャットで共有しているそうです。

 PTAでサポートに入っている方々だけでなく、勝田小学校の職員室内での情報共有も進められています。
 毎週火曜日には、1年1組の先生、2年1組の先生、3年1組の先生…というように縦割りで集まって、9月に使い始めた一人1台iPad活用の情報交換をしているそうです。学年ではなく縦割りで情報共有をする場も設けることで、学年によって違うiPadの使い方の幅が広がると共に、「次の学年ではこうしたことができるようになっていればいい」という視点を得ることもできると思います。

 この日サポートに入ってらっしゃった保護者の方は、「コロナで来られない時期が長かったので、学校に関われてうれしい」ともおっしゃっていました。PTAを通じて学校が変わっていく過程をサポートするひとつの形ではないかと思います。
 また、学校側から見ても、学校が行いたい授業の形を、保護者の方にも理解してもらうことができるので、ただ授業をサポートしてもらう以上のメリットがあるのではないかと思いました。
 こうしてPTAができる範囲で授業をサポートしていく形は、他の学校でも一人1台の端末活用を日常化するための手法として有効なのではないかと思います。

(為田)