2019年11月21日に、さとえ学園小学校を訪問し、授業を見学させていただきました。さとえ学園小学校では、2018年から一人1台のiPad(セルラーモデル)環境を実現し、学校生活のあらゆる場面で活用しています。
さとえ学園小学校には、さとえアクアミュージアム(水族館)があります。体験学習を重視している学校らしいと思います。学校の中に水族館があることをあまり想像できませんが、普通の小学校の図書室のような感じだそうです。図書室に行くような感覚で、水族館へ行けるというのは、すごい環境だと思います。
水族館には、熱帯魚・深海魚・淡水魚など約250種、800匹が飼育されているそうです。本格的な施設で、本物の魚たちを前に、子どもたちは体験学習をすることができます。
図書室で言えば司書の先生のように、水族館の管理をされている住友幸子 先生は、プロフェッショナルとして子どもたちと魚たちを繋ぐ探究をされていると思いました。
水槽など展示のところには、子どもたちが描いたポスターや観察の成果などがたくさん貼られています。子どもたちにとって、水族館が身近な学び場になっている様子がわかります。
2年生 総合 オリジナル水槽を作る
2年生は、総合学習の時間で、水族館で「オリジナル水槽を作る」という授業を行うそうで、そのための水槽が3つ用意されていました。
最初に、「日本の風景」とか、「沖縄にいる外来種」のようにテーマを子どもたちが決めて、それから、水槽に入れる生き物を入れるそうです。この時点で、例えば淡水と海水、水温、住んでいる地域、食性、性格などによって、一緒に水槽に入れられるかどうかなど、住友先生が相談にのりながら、自分たちのオリジナルの水槽を作っていきます。
3年生 総合 ウミガメプロジェクト
3年生の総合の授業では、認定NPO法人 エバーラスティング・ネイチャー(ELNA)が行っている「ジョイントブリーディング」というプロジェクトに参加しているそうです。
このプロジェクトは、小笠原諸島の父島で産卵され、ふ化したアオウミガメの赤ちゃんを少し大きく育ててから、故郷の海へかえすことで、大きな魚や鳥などの外敵に襲われず、アオウミガメが大きくなり、生存率を高めることができると考えられている活動です。
3年生は飼育が始まる前に、1学期からウミガメのことについて調べました。
そして、NPO法人ELNAの方にお越しいただき、ELNAが行っている活動や、ウミガメのことなど、たくさんのことをお話していただき、さらなる学びとなりました。
このプロジェクトで育てている2匹のウミガメが水族館の入口のところにある水槽にいました。
この2匹のウミガメの名前は校内で募集して、上位3つの候補を出して、「オンラインリアルタイム投票で決めよう」と子どもが言い出して、実現させたそうです。ICTが日常生活に溶け込んでいる様子がわかります。
室温や水温のチェック、水槽の相似など、飼育を何でもやります。日誌に書いて、3年生全員が責任をもってウミガメを飼育しているそうです。
こうしたプロジェクトに、専門家である住友先生が見守る環境で参加できることは、探究学習として非常に良い場だと思います。ここからさらに「学びたい」という思いへ繋がることもたくさんあるだろうと思います。
No.4に続きます。
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(為田)