だいぶ前になってしまうのですが、湘南学園小学校のICT主任を務めている中許竜宏 先生から、『湘南学園小学校 2018年度 ICT実践記録集』をお送りいただきました。2018年6月に、湘南学園小学校の2018年度最初の研修に、湘南学園中学校・高等学校の小林勇輔 先生と一緒に講師でお招きいただいてから1年、実践記録集が完成したのは、先生方の活動の成果であり素晴らしいと思います。
ICTの実践は、「豊かな学び」を目指した、主体的に学ぶ授業を創造するためのものだと表紙にも書かれています。中許先生によれば、2019年度の春に、教員一人1台のiPadが配布されたとのことで、より一層の実践が積み重ねられていくと思います。
実践記録集のなかで、特におもしろいと思ったのは、2018年度に1年生の保護者向けに行っていた実践です。エイサーで使うサージの巻き方を保護者に向けて説明する研修会で、保護者がサージの巻き方を動画で確認できるようにしたという実践です。
授業実践記録
講習会は、保護者全員がメディアセンターに集まって体育主任から巻き方の説明が終わると、各クラスに分かれて、自分の子どもの頭にサージを巻くプログラムになっている。
例年では、巻き方を説明してプリントを配布するのみである。欠席した保護者には、プリントを見ながら練習してもらい、分からない場合は、来校していただいている。
今回は、巻き方指導のビデオを作成した。巻き方がわかりやすいように、巻き方の進行と共に、キャプションを入れて工夫をした。このビデオを、各クラスで練習するときに上映し、保護者の復習に役立った。また、サージの結び目などを、画像を停止してしっかりと見ることができたので、結び方がきれいだった。
湘南学園小学校『2018年度 ICT 実践記録集』(p.43)
デジタルであること、動画であることで、研修会の質が上がっている、小さい1歩に見えますが、効果は非常に大きな実践だと思います。毎年行っている研修会であれば、1度作れば、何年間かに渡って使うことができます。
希望者には家で練習できるようにAirDropでビデオを渡したそうです。日常生活で写真のやり取りなどをしている保護者もいると思いますので、簡単にこういうのはできるようになっていくと思います。また、欠席した保護者にもLINEやショートメールで送ってもらったそうです。
こうした授業とは少し違う点などについても、記録を残しておくことで、学校の働き方改革にもつながる部分はあるのではないかと思いました。
ぜひ、授業での実践なども含めて、また学校に伺わせていただきたいと思います。
(為田)