教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

休校×ICTでやれたこと No.18 「オンライン授業特別サイトを通じた学習支援」(昭和女子大学附属昭和小学校)

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、2020年3月2日から始まった休校措置は、新年度になっても継続しています。休校の状況にあっても、ICTを活用することで教育活動などを継続している学校の実践を「休校×ICTでやれたこと」として紹介していきます。

 今回は、昭和女子大学附属昭和小学校の相原史隆 先生からいただいた実践で、「学習用特別サイトを通じた学習支援」です。

Q1:どんなふうに使っているかを具体的に教えて下さい。

 昭和女子大学附属昭和小学校では、児童共有iPad120台、教員はiPad 1台ずつ持っている環境だそうです。「休校に従い、オンライン授業特別サイトを立ち上げ」たと相原先生は書いてくださいました。

相原先生:本校教員の知り合いのICT企業に手伝っていただき、3日間でシステムを構成していただいた。まず動画配信手順の研修をして4月13日から「オンライン授業特設サイト」の運営を始める。
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学年ごとに設定されているパスワードを使ってログインし、各自で動画を参照して学習。中に入るとPDFプリントと動画がある。分かりやすいように、(最新)と(これまで)に動画もプリントも分けられている。
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教科書配布ができていなかったため(現在は、発送済)、担任、専科教師は、学年ごとの復習を中心とした学習動画(約10分)を撮り、まず共有Googleドライブにupする。管理職が内容等チェックし、特別サイトにupしている。
問題プリントなどもpdf化し、サイト内の学年ごとのフォルダーに入れている。学習用サイトができるまでは、メールにてpdfの問題を送信していた。

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基本、先生方はiMovie などを使って動画を作成している。
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 大規模なシステムを活用しなくても、学習用特別サイトやメールなどを通じての問題送信を行えれば、学習支援を行うことができるのだと思います。学校ごとに、「何を大事にするのか」の視点は異なるので、さまざまな解決策を考えることができます。

Q2:「もっとこうであればよかった」ということがもしあれば教えて下さい。

 「もっとこうであればよかった」というふりかえりを、相原先生は以下のように書いてくれました。

相原先生:始まったばかりだが、教員は工夫しながら撮影している。ただ、教員間でICTスキルの差があるので、そこを埋める必要性を感じている。また、出版物著作権の問題もあり出版社に許可が必要で、映すことができないなどジレンマも抱えている。
現在、使用検討中のZoomなども、もう少しスピードを持って進めなければいけないと感じた。

 現場の先生方の、「学びを止めない」ために行っている活動と、リスクなども含めてGOサインを出す管理職の方々と、それぞれに大変なことがあるように思います。さまざまな知見が共有されていくなかで、さまざまな解決策がより共有されていくとよいと思いました。

まとめ

 最後に、相原先生から以下のようなコメントをいただきました。

相原先生:緊急事態宣言が出たすぐ後、YouTubeに学習動画をupなどの話もあったが、実施にあたっては教員間で賛否両論があり実現できなかった。
今回の学習用特別サイトの件は、若手教師からのボトムアップでおこなわれるようになった。システムが学校用に作られていて、複雑なところは、ICTの企業がサポートしてくれるのでありがたい。
保護者からは、好意的な評価をいただいている。
現在、5月以降に児童が登校できない可能性も考慮してZoom等での学習について動き出している。

 できるところからどんどん環境を作って、手段を講じて、実践をしている様子が伝わってきます。企業がうまく連携しているのも、学校側に大きな負担をかけないポイントだと思います。
 5月以降のことも考えて、準備を進めていられるとのことで、長い期間を通じて子どもたちの学びに関わる学校ならではの、大切な役割だと感じました。

 相原先生、ありがとうございました。


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 実践紹介と共に、「もっとこうであればよかった」も合わせてまとめておけば、GIGAスクール構想後の学校に役立つ知見になると思います。引き続き、フォームからの投稿を受け付けていますので、どうぞよろしくお願いします!

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(為田)