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東京都立青山高等学校 小澤哲郎 統括校長 インタビュー No.2(2020年9月7日)

 2020年9月7日に、東京都立青山高等学校を訪問し、小澤哲郎 統括校長先生に、青山高校でのICTの活用について、お話を伺いました。

卒業生がオンライン授業を助けてくれる

 学校が完全再開になると、生徒たちは学校に通ってくるようになり、通常授業のオンライン授業は必要なくなってやめていたそうですが、土曜日の午後に受験対策のオンライン講習をやろうと言って、5人か6人の先生が配信をしていったそうです。
 リアルタイムで授業を配信する先生も、録画して配信する先生もいたそうですが、この授業配信を、卒業生の大学生がサポートしてくれていたそうです。例えば、先生たちの御用聞きをしたり、できない先生の録画をしたり、実験をする先生には2人がかりでアップとワイドと撮影したり、チャットの対応をしたりということも行っていたそうです。小澤校長先生は、「土曜日のオンライン講習は卒業生のサポートがあったので続けられました」と言います。
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 夏休みに入ってからは、夏期講習を3年生中心に行いました。月曜日から木曜日は対面講習、金曜と土曜はオンライン講習として時間割を組んで、それも卒業生の彼らが支援をしてくれて成功したそうです。このサポートをしてくれた卒業生のグループが、いまは「東京オンライン教育振興会」となっています。
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 アプローチは卒業生からあったそうで、授業作りだけでなく、LINE質問箱を設置したり、Classiを使って情報発信をしたり、さまざまな取り組みを青山高校は行ってきています。

 「2学期以降、オンライン授業デーとオンライン授業ウィークを設定したい」と夏休み前から考えていて、2学期に2日くらい、3学期の頭に4日間くらい、完全オンライン授業を行う予定でいるそうです。
 現在考えているスケジュールでは、3学期は1月4日から始まります。普通ならば冬休みのところで授業をしなければならなくなるので、ここを録画授業にすることで、先生方が休めるようになる、と小澤校長先生は言います。
 同じ時間帯に同じ科目がある時間割であれば、オンライン授業のコンテンツを作れば、一人が教えて一人がサポートにまわるやり方もできるので、先生方の負担を軽くするというメリットもあり、徐々に広がってきているそうです。

 卒業生の提案に助けられながら取り組んでいたら、「ネットワーク環境が弱いから、それを何とかしたい」ということで、クラウドファンディング「都立高校にオンライン授業を導入したい!高きを望め、青山高校編」が始まりました。
readyfor.jp

 こうして卒業生が母校の後輩たちのために何かできないかと動き出し、オンラインでクラウドファンディングを立ち上げる動きが、とても現代的だと感じました。

 No.3に続きます。
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【2020年10月7日 AM5:19追記】
 一部、事実と異なる記述がございましたので、修正をいたしました。こちらの確認不足でご迷惑をおかけしました。大変申し訳ございませんでした。


(為田)