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戸田市立戸田東小学校 プログラミング授業 インタビュー(2022年1月26日)

 2022年1月26日に、戸田市立戸田東小学校の村上健也 先生に、プログラミングの授業についてのオンラインインタビューをさせていただきました。村上先生は担当されている3年5組で、アイロボットのプログラミングロボットRootを教材として使った授業を行ったそうです。

 戸田東小学校は、2021年4月に完成した新校舎にSTEAM教育の拠点としてSTEAMラボが設置されています。3年生は、STEAMラボでロボットを動かすプログラミングを経験しているそうです。
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 STEAMラボでのロボットを使った授業を土台として、今回は一人1台もっているChromebookにRootを接続する授業が行われました。
 村上先生は、授業の最初に「STEAMラボでロボットを動かすことはできたので、今回は日常使いができるロボットをプログラミングしてみよう」と教室での活用を意識してもらうように伝えたそうです。

 全部で2コマ行った授業の1コマ目では、7つの課題が書かれたミッションシートを配布し、動かす、音を出す、LEDを光らせる、などの基本的なRootの動かし方を紹介して、子どもたちに自由に取り組んでもらったそうです。「最初の2つのミッションができればOK」くらいな感じで伝えたものの、先に進む子はどんどん新しいことにチャレンジしていったそうです。

 2コマ目になると、子どもたちはミッションシートを見ながらRootでいろいろなプログラムをしていきます。Rootはペンを挿して動かすことで線が描けるので、直線、円、星などを描くことにチャレンジする子たちもいたそうです。「ミッションシートに書かれている範囲くらいまではできるかな?」と思っていたが、それを超えていく子たちも多かったそうです。
 ただミッションをこなすだけでなく、「こういうのやってみたい!」「できるかな!?」と、どんどん自分たちでチャレンジしていく感じにするのが、先生の授業の導入や雰囲気作りに大きく影響されるところではないかと思います。
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 村上先生は、「授業中にびっくりしたのは、星を描きたいと言っていた子が、どうしても頂点がずれてしまって苦戦していたときに、まだ算数の授業では習っていない角度の話をし始めたことです。先にプログラミングで角度という知識に触れて、その後で算数で習って、“あ、プログラミングでやったやつだ”となるケースもこれからは出てくるかもしれない」と言います。星を描きたいから、そのためにどんな知識があればいいのかを探究していく、というふうになるのは、プログラミング教育を教科と結びつけるきっかけになると思います。
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 ミッションシートをすべて終えた後、村上先生は「係などで他の人をびっくりさせることをRootでやってみよう」と課題を設定したそうです。すると、音楽係がRootで音楽を流したり、教室のホワイトボードをRootを使って消したり、というふうにRootが日常のなかでロボットが活動する場を作っていたそうです。教室のなかでChromebookと繋げて使うからこそ、教室での日常にプログラミングが活躍する場面ができるのはとてもいいと思いました。

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(為田)