教育ICTリサーチ ブログ

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やってみた:「推敲」をネットで検索してみたら、ん?と思った話

 一人1台の情報端末を活用することで、作文をデジタルでできるようになり、字が汚くて作文が嫌いな子や、字を書くのがめんどくさくて作文を書きたくない子や、漢字の間違いばかり指摘されて作文が嫌いな子にとって、「文章を書く」といういちばん大事なところに集中ができるのではないかと思っています(タイピングのスキルは必要にはなりますけど)

 文章を書くだけでなく、何度も読み返して文章を直していく、推敲作業もデジタルの方が楽だと思います。消しゴムで消していくうちに原稿用紙が汚くなってしまったりもしますし、文章を途中に挿入するのもデジタルならば簡単です。コピー&ペーストをして段落の順番を変えてみたりする子も、前の版をバックアップとして残しつつ、書き直している子もいます。

 そんな「推敲」をしている授業をこないだ見たのですが、「推敲ってなんだろう?」という先生の問いに、インターネットで検索して子どもが言った答えが、「何度も書き直して苦心すること」だったので、「え?」と思って検索してみたら、たしかに検索結果のいちばん上に出るOxford Languagesの定義では、「詩や文章をよくしようと何度も考え、作り直して、苦心すること」となっていました。

 「苦心すること」ではなく、「何度も考え、作り直すこと」ではないのかな…?と思い、手元にあったiPadのアプリ「精選 日本国語大辞典」で調べてみると、「詩や文章を作るにあたって、その字句や表現をよく練ったり練り直したりすること」と書かれています。そう、「字句や表現を練り直すこと」ですよね。
 下の方に出ているページには正しい説明も出ているのですが、トップにこれが出ると、これに引っ張られる子も出てしまうな、と思いました。検索結果の使い方が難しいのは、こういうちょっとした語の説明レベルでもあるのだな、と感じた出来事でした。

(為田)