2024年1月27日に戸田市文化会館・大ホールで、戸田市小・中学校児童生徒プレゼンテーション大会が開催され、審査員として参加させていただきました。戸田市のプレゼンテーション大会は、今回で8回目となります。ここ3年間はオンラインでの開催でしたので、ひさしぶりに戸田市文化会館・大ホールでの開催で、戸田市内の小学校12校と中学校6校から1チームずつが代表として参加しました。
自分でもデモンストレーションをさせてもらったことがあるのでわかりますが、すごく大きいホールで、ステージに立ってプレゼンテーションをすると、本当に緊張します。そんななか、小学生と中学生がプレゼンテーションを堂々としてくれていて、それを先生方や保護者様が見守っている、こうした場を設定するのがとてもいいと思いました。
審査員は、児童生徒のプレゼンテーションを聴いて、事前に設定されている「プレゼン大会ルーブリック」に基づいて審査をします。ルーブリックには全部で7つの項目があり、それぞれの項目について審査をします。
最初の挨拶で戸田市教育委員会の戸ヶ﨑勤 教育長が、今回のプレゼンテーション大会は「観覧者に具体的に行動してほしいこと」がテーマになっていて、「提案していくことが目的」だと、おっしゃっていたので、「具体的に行動してほしい」と思わせてくれるプレゼンテーションになっているか、という視点で評価をしていきました。
さまざまな提案のなかで、「やってみました」「作ってみました」というのが多いのが、戸田市のプレゼンテーションの特徴だと思っています。何かをやってみたら、Googleフォームでアンケートをとってみました、とか、実験の様子を撮影して動画で紹介してくれたり、イメージ動画を自分たちで撮影して見せてくれたり、3Dプリンタで造形をしてみたり。こうしてどんどん手を動かすことが身近になっていくのが、学校で学ぶ知識・技能を“生きたもの”にしていくポイントになると思います。
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すべての学校のプレゼンテーションが終わり、小学校の部と中学校の部で、金賞・銀賞・銅賞・敢闘賞と結果が発表された後で、審査員が一人ひとり、講評をさせていただく時間がありました。
僕は、舞台袖で小学生と中学生、そして客席にいらっしゃる先生方と保護者の皆様に伝えたいなと思うことを簡単にiPadでメモをして講評をしました。以下は、講評として話したであろうことのメモです。
- こんな大きな舞台でプレゼンテーションをしたのは、本当にすごいこと!素晴らしかった。
- プレゼンテーションは、相手に言いたいことが届いてはじめて意味がある。
- 相手にしっかり届けるために、相手のことを考えよう。
- この言葉づかいでわかるかな?
- この図はわかりやすいかな?この写真はわかりやすいかな?
- 熱をもってプレゼンテーションをしよう
- でも、熱をもちすぎると視野が狭くなってしまいがち。結果、相手のことが考えられなくなったりもする。
- 熱をもちながら、いろんな方向性を考えて、やり直して…というのを何回もくりかえせるようになろう。そうすると、「相手に届く」ようになる。
- プレゼンテーションは、こういう大きい舞台でたくさんの人を相手にするものだけじゃない。一人でするときもある。友達を相手にすることもあるし、親を相手にすることもある。学校の勉強だけじゃなくて、受験の面接とかでもプレゼンテーションはするかも。
- これからもプレゼンテーション、がんばってください。
毎年審査員をさせていただいていて思っているのは、このプレゼンテーション大会のような形式でするプレゼンテーションだけでなく、「人に何かを伝える」ことを楽しむ児童生徒が増えたらいいな、ということです。プレゼンテーションでなくても、文章でも、動画でも、プログラミングでも、さまざまな形式で「人に何かを伝える」ことの楽しさや意義(そして大変さ)に気づいてもらえたらいいと思います。
そして、そうしたことに気づいてもらうために、学校の先生や保護者の皆さまにしかできないことがたくさんあると思います。そうしたことを仕事としてお手伝いできたらな、と思っています。
【おまけ】
今回のプレゼンテーション大会、いくつかの学校でものすごく熱量の高いプレゼンテーションが見られました。「好き」という愛情でも、「何とかしなきゃ!」という危機感でも、何でもいいと思うのですが、こうした熱量の高いプレゼンテーションがとても好きでした。
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(為田)