2020年1月25日に、戸田市文化会館において、戸田市小・中学校児童生徒プレゼンテーション大会が開催されました。戸田市内の小中学校18校から、それぞれ1チームの代表が出場し、プレゼンテーションを行いました。
戸田市で教員研修やPBLのカリキュラム開発を行っている株式会社キャリアリンクの小池紗也香さんと、戸田市教育委員会 21世紀型スキル育成アドバイザーである株式会社リバネスの森安康雄 先生と株式会社情報通信研究所の平井聡一郎 先生、インテル株式会社の竹元賢治さんと共にプレゼンテーションの審査員を務めさせていただきました。
最初に小学生の部、次に中学生の部となっていて、それぞれ2~6人のメンバーでプレゼンテーションを順にしていきます。戸田市文化会館の大きなステージで、堂々とプレゼンテーションをしているのは素晴らしいと思います。きっと各校でたくさん練習もしてきたことだと思います。
今回のプレゼンテーションについては、戸田市教育委員会がルーブリックを作成していて、それに基づいた審査ができるように準備をされていました。ルーブリックは、小学生は「知識・技能」「学びに向かう力」「思考力・判断力・表現力」の3観点で6項目、中学生は「知識・技能」「学びに向かう力」「思考力・判断力・表現力」「市民力」「キャリア設計力」の5観点で8項目から成っていました。各学校でプレゼンテーションの指導をする際にも、このルーブリックが活用されているそうです。
各校の先生方も、このルーブリックを見て指導をされているそうで、一昨年、昨年と比べても、着実に進歩してきているように感じました。
堂々とした発表、プレゼンテーションを終えての充実した表情、素晴らしかったです。また、PBLを取り入れている学校も多く、探究の後を見られたこともとても良かったです。
あとは、「論理的な構成」について突き詰められれば、もっといいなと感じました。いろいろなことを調べ、いろいろなことを考えたことはすごくよくわかりますが、それを全部伝えようとすることで、論理がぼやけてしまって何を言いたいのかがわからなくなってしまうことが多いように思いました。
タイトルと最後の1~2枚のスライドでメッセージがきちんと伝わるかを考えることで改善していくのではないかなと思っています。
プレゼンテーションが上手になるためには、伝える側のスキルや経験の問題も当然あると思います。ですが、それより重要なのは、“良い聴き手”がいるかどうか、ということではないかと思いました。先生方、保護者の方、クラスメイト、みんなが良い聴き手になることが必要です。
「僕はこう思うんだ」というプレゼンテーションを聴いて、頷いて同意を示してあげることも、資料やデータを用意してきたときに「これ、わかりやすい!」と言ってあげることも大切だと思います。
逆に「ここはちょっと論理が飛んでて言っていることがわからない」「結局、いちばん伝えたいことは何なの?」と厳しく言ってあげることも、良いプレゼンテーションをする人を増やすために、非常に大きな意味をもつと思います。
子どもたちが日々、いろいろな場面でするプレゼンテーションの、良き聴き手・良き評価者になっていくことは、大事な仕事だな、とあらためて感じました。
今年度の上位入賞校の先生方に、ぜひ「こういうところを気にして指導しました」「大変だったところはこういうところです」というコメントをいただいて、それを市内の各校で共有できれば、まだまだ向上していくと思いました。また、学校で中間発表をしたりするときには、ぜひゲストティーチャーとして呼んでいただいたりもしていただければと思いました。
(為田)