教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

「i和design 2015夏」取材報告(4)

School Taktでリアルタイムに学習活動を共有する

 リアルタイムで学習活動を共有するSchool Taktを実際に使ってみました。School Taktは国の教育・学習クラウドにも搭載されている学習支援アプリで、クラウドで利用するので、インターネットに接続さえすれば端末は何であっても使うことができます。
schooltakt.com


 講師をつとめてくださった上田輝先生(2年目)の指示に従って、自分のiPadで名前を入力し、自分の顔(イラストで描いてもよし、写真で撮影してもよし)と合わせて自己紹介シートを作りました。
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 School Taktを使うことで、クラスにいる全員の作品(今回は自己紹介シート)を自分のiPadで見ることができます。そして、Facebookのように「いいね!」をおすこともできるし、コメントを書き込むこともできます。
 School Taktを使った話し合い活動は、児童が声を出さない話し合い活動となります。こうした新しいコミュニケーションに愛和小学校の先生方も最初は戸惑ったそうですが、今は協働学習を推進するメインツールとして校内研究での授業実践に使ったり、朝の会でも使われたりしているそうです。多くの授業で使われているそうで、そのうちのひとつ、算数の授業で使われた問題を、参加者みんなでSchool Taktを使って考えてみました。図形の面積を考える問題で、それぞれにどんなふうに考えて、どんな式を立てて計算したかを共有しました。
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 自己紹介のときと同じように、他の人の考え方を見ることもできるし、コメントをすることもできます。「コメント機能は、算数だけでなく、国語、社会などの授業でも使っている」と講師の上田先生はおっしゃっていました。最初に問題を伝えて各自で考え、その結果を共有し、クラスメイトの考え方を知った上で、再び自分で考える時間を取る、というふうにすることで、さまざまな学級活動に応用できそうだと感じました。
また、「わからない」ボタンもあるので、児童は課題に取り組んでいて「わからない」と思った瞬間にボタンを押すことができます。教室で手を挙げるのがちょっと恥ずかしい児童でも、「わからない」と自分の状態を表現できます。こうして事前に学習状況を把握しておくことで、より効果的に机間指導を行うことができると思います。

 こうした学習活動をリアルタイムで共有する機能は、実技教科でも使えます。例えば、図工の時間に絵を描いたら、絵をiPadのカメラで撮影して、共有し、誰の作品が好きかということを「いいね!」で表したり、どんなところが好きかコメントを書き込んだり、ということができます。

 School Taktを使うことで、児童が課題を解いた結果が残ります。また、誰が誰にコメントをしたかなどもマップ形式で見ることができますので、教室内でのSchool Takt上でのやりとりが可視化されています。
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 こうした点も、クラス内での教え合いや協働学習がどのように行なわれているのかを先生が知る上で助けになるかもしれないと思いました。

 第5回に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)