教育ICTリサーチ ブログ

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玉川学園高等部訪問 #2 オフィス最終課題2回め(2015年12月11日)

 12月11日に、玉川学園高等部を訪問させていただき、登本洋子先生が担当されている、高校3年生のオフィスの授業を見学させていただきました。

 前回の授業の続きで、業界3位から業界1位になるためにどうすればいいか、チームで行う戦略会議を見学させてもらいました。すでに業界の大手企業についてはリサーチが進んでいて、Excelでグラフ化をしてあります。ここから、チームのみんなで調べた内容をPowerPointにまとめていき、この後に続くプレゼンテーションへの準備を進めていく段階になっています。

 各チームに話を聞くと、コンビニ業界、テレビ業界、自動車業界、家電業界などを選んで調査をしているようです。
しばらく、コンビニ業界のところにいて、どういうことを調べたのかというのを聞いてみました。コンビニ業界のチームでは、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートで、ファミリーマートが1位になるためにはどうすればいいか、ということを考える課題となります。それぞれで売上がいくらか、というのはデータを持っていたので、「売上だけだとわからないから、お店の数も調べて、1店舗あたりの売上を出してみたら、戦略が立てやすいのでは?」と言ってみると、店舗数をすぐに調べ始め、Excelに売上と店舗数を入力し、さっさと数式を作って計算をしていました。このリアクション力がいいな、と思います。Excelをきちんとツールとして使えるようになっていると感じました(同じヒントを出しても、ここで電卓で計算する生徒も多いと思います)。計算式を入力して、計算式をコピーして、通貨形式で表示して、というのをすらすらとしていくのは、ツールとして使いこなしていると感じさせるものでした。
 数字が「店舗あたりの売上」という形で揃うと、「売上で抜かすためにはどうすればいいか?」という質問が具体的に考えられるようになると思います。チームの中で、「店舗を増やす」か「店舗あたりの売上を上げるか」を検討するようになっていきます。
 登本先生は、「ネットで情報を調べ、Excelで数式を使ってデータを編集し、そこからWordで文章を書き、PowerPointでプレゼンテーションをする、という過程で、論理的思考力を身につけたい」と話していました。
 もちろん、論理的思考力はプログラミングなど他のことで学ぶこともできると思いますが、プログラミングだと楽しんでできる生徒とそうでない生徒の間に差が大きくなりがちです。また、先生の指導も大変です。オフィスの中で、身につけさせたいスキルと思考力の両方で、どのような操作方法をマスターさせるかを設定して授業を設計することで、論理的思考力は情報科の授業の中で身につけさせられるという視点に非常に賛成です。

 次回は、各チームで考えた戦略のプレゼンテーションを見せていただきますので、それも楽しみです。

(為田)