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【開発秘話】 情報分析・問題発見からプレゼンまで実習を通した、情報科カリキュラム@八王子学園八王子高等学校 #1

 八王子学園八王子高等学校情報科の授業にて、2016年度より問題解決フローを組み込んだ実習の授業を新しく導入していただき、この2学期より実施スタートしました。
 この連載では、八王子高等学校の情報科の授業の様子と共に、そのカリキュラムの開発秘話を紹介いたします。
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特色の異なる生徒でも興味を持ちやすいテーマに

 八王子高等学校は、進学、特進、芸術、アスリートなど、特色が異なるクラスが1学年で10クラス以上あります。生徒の雰囲気や得意とする分野が違うのはもちろん、興味を示すことも異なります。そういった前提条件のもと、どのクラスの生徒でも興味を持ちやすいテーマを設定することが必要でした。
 今回、設定したのは、「コンビニの売上をアップする施策を考える」です。コンビニ自体は、高校生にとってもよく利用するお店なので、身近なものです。
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 また、各コンビニの売上の数値や店舗数の数値は、公式サイトに掲載されている情報なので、ネットで検索して必要なデータを探す作業ができ、それらのデータをExcelにまとめて、各コンビニのデータを比較したり、傾向を分析することもできます。
 生徒が興味を持ちやすく、かつ学習目標の内容が組み込みやすいテーマを設定することにいちばん時間をかけました。実際に授業を見学させていただいたところ、コンビニというテーマは、やはり生徒たちにとっても身近な存在なので、「私、〇〇〇がいい!」「学校からいちばん近いコンビニって〇〇〇〇だよね?」などの声が上がり、テーマとしては適していたようでした。

あらゆる状況を考えて授業計画を用意

 八王子高等学校の情報科の授業は、1年の必修授業です。週1回2コマ実施されるので、カリキュラムの内容は、2コマを1回分として計画しています。前後に体育などの移動授業などがあると、授業開始時に生徒が集まっていなかったりなどもあるので、時間ピッタリではなく、10~15分くらいは余裕を持って授業を企画し、授業回数の多いクラスや特進などのようにスキルの高いクラスのために、各回毎に応用の内容も用意しておきます。
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グループ作業をしつつ、個人評価ができる

 1回目の授業では、一人一人が担当のコンビニについて調査をします。過去10年間の売上高と店舗数を調べ、1店舗当たりの一日の売上高や、客単価を推測して一日の客数などを概算で求めることをします。各コンビニで扱うデータの数値がある場所や、数値自体は異なりますが、フレームワークが同じなので、教えるポイントや学習目標は変わりません。
 また、同じコンビニ同士でも、一人一人が自分でデータがある場所へ辿り着き、データをExcel上にまとめ概算を出し、概算の表を見て気付いたことをWordでレポートにまとめるところまでやるので、個人での評価もきちんとできるようになっています。
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情報収集において、どう探したらいいかを実体験を通して学ぶ

 インターネットを使って、欲しい情報を探すことは、大学で論文をまとめたり、仕事で企画書をまとめたり、プレゼン資料の裏づけデータを探したりなど、あらゆる場面で行うことですが、その際に求められるのが、「どういうところにデータがあるか」「どういったデータであれば信ぴょう性があるか」「どう検索すれば、ほしい情報が見つけられるか」を、自分自身で考え、探すことができるスキルが必要になると思います。
 今回の例で言えば、コンビニの売上高や店舗数のデータがどこにあるかを考えて探すことが重要です。キーワード検索で「コンビニ名 売上高」という複数キーワードで検索してすぐ出てくるデータもあれば、出てこないデータもあります。そういったときに、「売上高や店舗数を知りたい人はどういった人だと思う?」などのような質問をして、「株主だったらそのコンビニの売上を知りたいだろう」という考えを生徒たちから引き出し、サイト上のどのページを探せば、データがありそうかを考えさせながら、情報収集をさせることができます。
 こういった学習は、口頭で説明されても、なかなかイメージしずらいものですが、実体験を通して学習することで、身につきやすくなると思います。


 本カリキュラムは、全8回の授業で構成されているものです。以降の授業の様子や開発秘話についても、引き続き紹介していきたいと思います。


(前田)