2020年2月27日に、佐賀県立致遠館高等学校を訪問し、数学と古典の授業を見学させていただいた後で、致遠館高等学校でのICTの活用についてのプレゼンテーションをしていただきました。
佐賀県立高校では、2014年度から全生徒に一人1台の学習用PCが配備されています。教室には電子黒板が設置されていて、普通教室、特別教室、体育館においても、ICT機器の利用ができるようになっています。致遠館高校では、授業はもちろん、生徒集会などにおいても積極的にICT機器を活用しているそうです。授業でも、リブリーやClassiなどを活用している様子を見ることができました。例えば、生徒総会の資料はすべてデータで配布しているそうです。
先生たちも、校務用PCと学習用PCの2台を使えるようになっていて、会議などにおいてもICT機器を利用しているそうですが、最初からどんどん使っていたかというそんなことはなく、配備が始まってから最初の3年間くらいはあまり活用が進まなかったそうです。
2018年度から、「致遠館は佐賀県のフロントランナーとして、積極的にICTを使っていきましょう」というふうになり、全校生徒と全教職員がIDをもっているClassiを軸にして、以下のような施策を行っていったそうです。
- 日報のペーパーレス化
- 「校内グループ」の利用推進
- 印刷の手間を大幅に軽減
- 「学習記録」の利用推進
- 先生と生徒の間のコミュニケーションの新しい形になった。
- クラスごとに学習記録をつけられる(クラス別平均、教科ごとなど、さまざまな集計にも活用)
- 「学習動画」の利用
デジタル化を行うことで、先生方の業務改善が進み、「その結果として、教材研究や授業準備などの時間をとれるようになり、授業の質を上げることができた」と進路指導主事の山﨑俊明 先生は説明してくれました。
特に、「校内グループ」を使うことで先生同士の情報共有を進めることができますし、学習記録の利用を推進することで、先生と生徒の間のコミュニケーションをより密に行うことができるなど、学校の機能を高める部分としてICTをしっかり活用できているというのが、秘訣なのではないかな、と感じました。
先生方の業務改善が進み、授業の質が上がったことで、進学実績にもそれは反映しているというふうに山﨑先生はおっしゃっていました。
今後、学習用PCだけでなく、クラウドを活用していくことによって生徒のもつスマートフォンなどの個人情報端末との連携も行われ、より活用は進んでいくだろうと感じました。一人1台の学習用PCを最初に整備した佐賀県だからこそ、先生方の日々の業務と、生徒たちの日々の生活に根づいた活用が行われていけばいいな、と思っています。
(為田)