2018年仙台市教育センター 市民公開講座 情報教育フォーラム in SENDAI 「学校教育の情報化」を考える 、に参加してきました。会場からTwitterで発信していた内容を中心に、再構成してレポートします。
第1部のパネルディスカッションテーマは「現在の学校教育の情報化を考える」です。パネラーは堀田龍也先生(東北大学)、稲垣忠先生(東北学院大学)、塩田真吾先生(静岡大学)、菅原弘一先生(仙台市立六郷小学校 校長)の皆様です。 #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
仙台市のICT整備
パネルディスカッションの進行は、堀田先生です。教育振興基本計画の話で、「5年くらい先を見通して」というのは、非常に大切なキーワードだと思いました。5年より先はたぶんテクノロジーが大きく変わりすぎているだろうな、と思います(iPadで登場から8年ですから)。
東北大学に着任して4年目。仙台市・宮城県の5年くらい先を見通して計画をしている、「教育振興基本計画」の策定委員をしています。仙台市立小学校全120校にタブレット導入というニュースが出た。小学校では、実物投影機で示して教える、「教える道具として」のICTが普及。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201709/20170923_13017.htmlwww.kahoku.co.jp
それだけではなく、実験の様子を記録するときにタブレットで撮影をして、後で実験レポートにするというような学習もしている。教科書の大事なところを大きく表示してみんなに見せたり、ネットに接続して教科書を超えた範囲を使って学ぶということも見られる。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
クラスメイトと一緒に学ぶ、「協働的な学び」も出てきている。仙台市全体で、こうした動きが出てきているということが、パネルディスカッションの前提です。最初に、仙台市の小学校の現場の様子を、現役の校長先生である菅原先生からお話ししていただきます。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
六郷小学校の現場の様子
ここで、堀田先生から、仙台市立六郷小学校の菅原校長先生へマイクが渡りました。
子どもたちが「学びたい!」と思ったときに必要なのは、情報を集めて、まとめて、伝える力。(菅原先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
六郷小学校では、普通教室でも、大型テレビ、ノートpc、デジタル教科書、実物投影機を配備している。これだと、「教えやすくする」というためのもの。これだけでなく、タブレット端末を配備することで、教え方がどう変わるか、というのが問題。(菅原先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
タブレット端末は使えるようになっているが、日常の基本の授業は、提示装置を使ってわかりやすい授業を進めている。子どもたちも、提示装置を使って見たものを一緒に考えている。この形に、タブレット端末が入るとどうなるか、試行している段階。(菅原先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
5年生社会科「日本の食料自給率は低いままでいいのか?」について、タブレット端末を一人1台使えるようになると、グループで1人ずつが、消費者、生産者…というように違う立場で情報を集めることができる。(菅原先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
その後、グループ内でみんなで「日本の農家がなくなったら大変!」というふうに、情報をまとめる。タブレットで調べたものを、付箋に書き出して、グループで話し合う進行をしている。(菅原先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
最終的に、提示装置に資料を示してグループで発表する授業をしている。「なぜそう思ったか」という理由も示している。子どもたち一人ひとりが、情報を集めて、まとめて、伝える、という活動をしている。(菅原先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
仙台市の情報活用能力を育む試み
続いて、東北学院大学の稲垣先生から、情報活用能力をどう育むか、仙台市での取り組みについて説明がありました。
情報活用能力は、情報化社会で生きるためのスキルと、情報(ICT)を使って学ぶスキルがある。細かくみると、「活動スキル」「探究スキル」「情報モラル」「プログラミング」の4領域を学ぶことが大事。(稲垣先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
仙台市では、「情報活用能力調査」を行なっている。モデル校になっている3校の5年生300人を対象にしている。情報検索などについても、子どもたちは「できる」と言うが、意外とそうでもない…。時系列で調査していて、上がっているところは授業の中で学んでいる。(稲垣先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
どうやって教えるのか?というところで、仙台版のモデルカリキュラムを作成中。国語、社会、算数など、いろいろな教科の中で教えられるようになっている。教育センターのサイトで公開を予定している。(稲垣先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
探究型の授業づくり研修会を、小学校で実施をしている。来年度からはたくさんの学校の先生方にやってもらえるように準備をしているところです。(稲垣先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
稲垣先生の話は、ICT機器を導入した後、どうやって情報活用能力を育てるのか、またそのために先生方が授業をどう変えていくのか、ということに取り組めるようになっているという話でした。
仙台市は機器の導入だけでなくて、そこでどんな力をつけるのか、というのを考えてるのがよくわかった。新しい機器の操作については、意外と大丈夫だとすると、情報活用能力は、いろいろな教科のいろいろな場面で学ぶということになる。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
社会科で学んだICTを道具として活用する方法を、国語で使ったり、理科で使ったり、というふうになる。ネットで調べる、図書館へ行く、人に訊く、それを状況に応じて選べるようになるといい。(稲垣先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
教科を横断して、ICTを使う経験を積み重ねて行くためには、それなりの整備が必要にはなる。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
情報化の影の部分への対応
最後に、静岡大学の塩田先生から、情報化の影の部分について、どのような対応が考えられるのかという話がありました。
情報化は、「とはいえ、よくないこともあるのでは?」という、影の部分もあるのではと思う。そうした面を、塩田先生から紹介してもらいます。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
「悪口・いじり」「長時間使用」など、さまざまな問題も思いつくかもしれない。どう指導したらいいだろうか?「トラブル事例をたくさん見せて怖がらせる」などでは、子どもたちは自分のこととして自覚できていないのではないか?(塩田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
ここで、静岡大学とLINEで共同開発しているワークショップを実際に会場でやってみました。5枚のカードを使います。そこには、「やられたらいやなこと」が書かれていて、それを嫌な順に並べていきます。
静岡大学とLINEで、共同研究ワークショップ「楽しいコミュニケーションを考えよう」というのを開発している。実際にやってみましょう。「ネット上で、相手の嫌なことをしないようにしましょう」がテーマ。(塩田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
5枚のカードを、「ネット上でやられてイヤな順に並べましょう」。「すぐに返信がない」「なかなか会話が終わらない」「知らないところで自分の話題が出ている」…など。(塩田先生) https://t.co/Va1nohVpSH… #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
ワークショップをやってみて、参加者全員で「これはイヤ」というのは問題にならない。実は、参加者が半々くらいで意見が分かれているものが、トラブルになる可能性が高い。例えば、「話をしている時にケータイ・スマホをさわっている、のはいいじゃん」「それはイヤ」が半々くらいであれば、それを許せる人と許せない人がいるということになる。
今後、みやぎ情報活用能力育成共同プロジェクトを、宮城県、仙台市、LINEで、進めていく。(塩田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
https://www.pref.miyagi.jp/release/miyagijyoukatuproj.html
子どもたちのコミュニケーションの形も変わってきている。だからこそ、こうしたスキルを学校教育で身につけるのは大事だと思う。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
塩田先生のワークショップは実際に教室でやってみたら、どのような結果になるのか、どのようなディスカッションになるのか、非常に興味深かったです。
まとめ
最後に、パネリストの皆さんから最後のまとめがありました。
新しい学習指導要領の総則で、「コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動」を実施する、と書かれている。そのためには、機器の整備が必要。だから、仙台市はやっている。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
子どもたちが、情報を消費だけしているのを危惧している。(菅原先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
仙台でも、ワークブックを作っている。(塩田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
情報活用能力は事例とリンクするように準備をしている。情報活用能力が身につくと、この街はどうなるのか、ということがわかるようになると思います。(稲垣先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
ICTをどう教育に活用するのか、仙台市が非常に深く考え、デザインをしているのだと思えて、勉強になりました。特に、いろいろな教科と情報活用能力がリンクできるようにと、稲垣先生がされている教員研修には興味があります。
第1部終了。稲垣先生がされている教員研修、どんなふうなものなのか、一度見学に伺いたい…(さすがに、それは難しいだろうか…)いろいろな教科と情報活用能力がリンクされているのは、素晴らしいと思います。 #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
No.2に続きます。
(為田)