教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

日本教育工学協会(JAET)「教育の情報化」実践セミナー レポート No.1(2020年3月21日)

 2020年3月21日に日本教育工学協会(JAET)「教育の情報化」実践セミナーがオンラインで開催されました。オンラインで参加しながらTwitterでメモをとっていたものを公開します。四国での開催だったので、オンラインだったからこそ参加できました。オンライン開催、ありがとうございました。
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稲垣忠 先生(東北学院大学)+林向達 先生(徳島文理大学)対談「令和スタンダードとしてのひとり一台体制を考える」

 最初は、稲垣忠 先生(東北学院大学)と林向達 先生(徳島文理大学)による対談「令和スタンダードとしてのひとり一台体制を考える」でした。

 最初に、新型コロナウイルスへの対応でオンラインでの学びの機会を提供している学校が多く紹介されていることについて、稲垣先生からのコメントがありました。

 続いて、今回の対談のテーマとなっている「ひとり一台体制」を推進するGIGAスクール構想に話題が移りました。

www.mext.go.jp

 1人1台端末の環境ができて、どのように学びが変わっていくのかについて、稲垣先生と林先生はコメントをしていきました。

 結局、「これをやりなさい」「あれをやりなさい」と先生が指示をしないとできない、という状況はいいのか。自分で学ぶ力がついていると言えるのか、ということについて、林先生はコメントしていました。これは、休校になったうちの息子を見ていても思います…(笑)

 GIGAスクール構想によって、これまでは一部の学校だけが進めていた「教育の情報化」が、どこの学校でも進んでいくようにしなければなりません。仕事として、がんばらなければいけないところはたくさんあります。子どもたちの学びのために、できることをしていかなくては、と思いを強くしました。

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 稲垣先生から、2冊の本の紹介がありました。1冊目は、学校+学校外の学びを支えるテクノロジについて学べる、A.コリンズ ・R.ハルバーソン『デジタル社会の学びのかたち』です。今度、改訂版が出るそうです。

 2冊めは、個別最適化×探究で学校をつくり直す、C.M.ライゲルース・J.R.カノップ『情報時代の学校をデザインする 学習者中心の教育に変える6つのアイデア』。個に応じた学びと探究型の学びの組み合わせのモデルケースが書かれています。こちらは、読書メモをこのブログで公開もしていますので、よろしければこちらをどうぞ

 林先生が、1人1台端末の時代に、先生の仕事がどう変わっていくのかということについて、旅行業界の喩えをしてくれました。これは先生という仕事でもそうだと思いますし、そもそも産業全体がこのように変わってきていると思います。この流れは不可逆だと僕は思っていますので、教育業界もやはり同じように変わっていかなくてはならないのかな、と感じています。

 ただし、これは「旅行代理的な仕事」=パッケージで、きちんと基礎基本を修得させて、というところが不必要だということではないと思います。先生方はどちらもできなければならない、ということだと思っています。

 タイトル通り、「令和スタンダードとしてのひとり一台体制を考える」ために、いろいろな課題提示がされた時間でした。これから教育の情報化に取り組む、GIGAスクール構想を根付かせる先生方と一緒に、じっくり考えていきたいと思います。

 No.2へ続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)