2018年1月26日に、戸田市立芦原小学校にて平成28・29年度戸田市教育委員会研究委嘱 研究発表会(国語科)が開催されました。研究主題は、「『自尊感情』を高め、互いを尊重し合う児童の育成 ~主体的に自分の思いや考えを伝え合う学習活動(国語科)」でした。公開授業、全体会、講話、シンポジウムというプログラムでの研究発表会でした。
最後のシンポジウムでは、コーディネーターをつとめさせていただきました。パネリストは、東京学芸大学教授 森本康彦 先生、金沢星稜大学教授 佐藤幸江 先生、前新座市立大和田小学校長 児玉裕子 先生の3人でした。
話題の骨子としては、以下の2点を設定してシンポジウムを進めていきました。
- 論理的な思考力につながる情報の扱い方に関する事項が新設された。ICTは有効に活用できるツールとなるか。
- 国語科としての主体的・対話的で深い学びの実現(「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善)が求められている。ICTは有効に活用できるツールとなるか。
この2点について、会場でタブレットやスマートフォンからアンケートに回答していただき、その結果についてパネリストの先生方に伺いながら話を進めていきました。
会場からの回答を見ると、「ICTは有効に活用できるツールとなる」という評価が多かったです。どうしてそう思うかという理由についても記入してもらっていたので、会場で照会しながら、パネリストの先生方の現場での知見や研究テーマと合わせてコメントをいただきました。
シンポジウムの中で出てきたキーワードとしては、以下のようなものが非常に興味深かったです。
- 論理的な思考力を高めるために、ICTが活用できるのではないか。
- 書き換えていくことは大事なスキル
- パンフレットづくりの事例。試行錯誤場面ではICT有効 ペアで修正、前と今とを比較する。
- ICTを使うか使わないか。子ども自身がそれすらも情報活用能力として選択していくもの。
- 小学校では手で書くことは外せないのではないか
- デジタルは、アナログの学びを保存、活用できる
- デジタルでは、大きく提示して情報共有ができる
- アナログでは、マップ化、板書などに適している
- 対話 相互評価 教える方が学習効果が高い 相互評価の後、自己評価すると更に促進される
- 円たくんは、自由に書ける。これは、アナログの良さ。
- 写真に記録していくと、繋がっていく
- コミュニケーションがLINEに近くなってきている?
- 単元を貫く言語活動を考えると、デジタルで補完して1時間1時間をつなげる仕掛け/仕組みが必要。
- 対話的な学びにするために15分なり、20分なりを子供に委ねる
- ICTでは、深い学びが出てこないのではないか?→教師の出番が必要
- ICTを活用した授業とは 普段の授業+αである。「+α」部分がICT活用 授業力が土台にある。
- ベースに学級経営 共に学ぶ面白さ
- 学びの記録をデジタルで残す。繋がっている感
- 情報が切り取られていく 前後のつながりを無視 一部分の切り取り→切り取られがちの社会の中で、繋がり、全体を見ていくということも大切ではないか?
今後につながるさまざまなキーワードをいただくことができ、シンポジウムのコーディネーターをしながら、自分がいちばん楽しんでいたような気がします。国語の授業のなかで、ある程度の量の文章を読む、しかも前後をしっかり繋げながら読む、ということは本当に重要だと思いました。特に、SNSやLINEなどでどんどん文章が短くなったり、脊髄反射的なコミュニケーションなどが多くなっていることを考えると、しっかり文章を読めるようにするために、リーディングスキルを伸ばしていくことは、これからの次代を生きる子どもたちにとって本当に大切だと思いました。
このような機会を与えていただきました、戸田市立芦原小学校の永井利昭 校長先生、本当にありがとうございました。
(為田)