2018年12月11日に、京都教育大学附属桃山小学校を訪問し、木村明憲先生が担任する5年1組の授業を見学させていただきました。
1時間目は算数の授業でした。児童は一人1台のiPadを机の上に出して、算数の授業がスタートします。最初に先生から「前の授業は何をしましたか?」と質問され、児童は、手元のiPadのAirPlayで教室全面のディスプレイに画面を投影してプレゼンしていました。
前回の授業内容を確認します。今回の授業で学ぶ内容をディスプレイに提示して、「(これまでに学んできたところと比べて、)どこが新しいの?」と木村先生が質問すると、児童からは、「問題に小数が出てくるところ」「分数を小数にするところ」「答えが小数になるところ」などの答えが出てきました。
その後、木村先生は「めあて、どうしようか?」と児童に問いかけます。児童は、MCカードを見ながら、どんなめあてにするかを考えていきます。
MCカードに並んでいる項目から考えて、「理由づける」「順序立てる」「関連づける」「多面的にみる」をルーブリックとしてまとめます。
ルーブリックが決まったら、その後、iPadにインストールされているロイロノート・スクールを使って個人で学習内容をまとめていきます。思考ツールを使っている児童が多いですが、それぞれが自分の理解の仕方、自分の考え方に合わせたツールを使っていたため、いろいろな書き方をみることができました。
10分足らずの時間で、学習のまとめをすることができたら、そこから2分間とって意見の交流をしました。ロイロノート・スクールを見せながら説明していきます。それぞれが自分にあったまとめ方をしていますが、それを「伝える」ことで、さらに学びの精度を上げることができるように思いました。また、ペアの相手がくれるコメントを自分のまとめにフィードバックすることもできていました。
その後、今度はクラス全体でまとめをシェアするために、「密集隊形になろう」と木村先生が言い、ぎゅっと教室中央に集まる形になりました。自分のロイロノート・スクールでまとめた画面を次々とAirPlayでディスプレイに投影し、プレゼンしていきます。プレゼンした児童が、次の人を指名して、どんどんプレゼンが続いていきます。
児童がプレゼンした内容を、木村先生が同時にホワイトボードにまとめていきます。その間、木村先生から追加説明、補足説明などはしません。児童たちからのプレゼンで、「説明が足りていない」「ここの部分の説明はもっとわかりやすくなる」などを、児童が自分たちでわかっているからこそ、木村先生も安心して任せているように思いました。
クラス全体で、自分たちで学べる力がついているからこその授業ではないかと思いました。公式を覚えさせたり、ひたすら練習問題をやらせるのは簡単ですが、そこに重点を置くのではなく、児童に「説明してもらう=伝える」というところに重点を置いている授業だと思います。
最後に、ロイロノート・スクールでふりかえりを書いてもらいます。
木村先生によると、5年1組では、内容によってノートの色を変えているそうです。自分の考えを書くときはピンク、事実を書くときはうす黄、まとめを書くときは黄、課題を書くときは赤というふうに、教室のホワイトボードに書いてありました。また、「批判的に考える習かんをつけよう」という目標も書かれていて、そのときには、黒を使うということがわかります。
No.3に続きます。
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(為田)