2018年12月11日に、京都教育大学附属桃山小学校を訪問し、木村明憲先生が担任する5年1組の授業を見学させていただきました。
今回は、朝の会の様子をレポートします。木村先生のクラスの朝の会では、一人の児童が3分間のスピーチをします。この日のスピーチのテーマは、「学ぶ」こと。スピーチを聴いているクラスメイトに「学ぶとはどういうことだと思いますか?」と問いかけ、ホワイトボードを使いながら、「学ぶ」ことについてスピーチを進めます。
スピーチをする児童の他に、もう1人の児童がホワイトボードの前にいて、スピーチの要約をその場で書いていきます。
3分間のスピーチが終わったあと、「教わったこと、学んだことについて話してみてください」と話し合いの時間がとられました。
その後で、挙手してくれたクラスメイトを指して、順に「教わったこと、学んだこと」を発表してもらいました。クラス全体で出てきたのは、勉強、たし算の計算、九九などの学校の授業に関係することや、ピアノでの指の使い方や陸上競技など習い事に関すること、また新幹線の駅名など趣味に関わることなどでした。
スピーチが終了した後で、木村先生は「最後の3分間で、どんなことを言ってほしかったの?」と、スピーチをした児童に質問しました。続けて、「何を話し合ってほしいのか、自分で持っておかないとダメ。話し合ってほしいことが、話し合われていなければ、修正した方がいい」とアドバイスをしました。
このように、スピーチだけでなく、そのあとの朝の会の時間のファシリテーションまでを、毎日1人の児童が行っているのは、非常におもしろい試みだと思いました。しかも、先生が実践的なコメントまでしてくれるのも非常にいいと思います。
年間で数回、自分のスピーチがまわってくるのに加えて、上手なスピーチやファシリテーションをするクラスメイトを比較対象とすることができるのは、学校の教室ならではの活動だと思います。
木村先生は、スピーチをするときの注意点として「主張したいことは何か、ということを考えてやろう」というアドバイスをしていました。また、クラスメイトに話し合いをしてもらったり、発表をしてもらうことで、スピーチがきちんと伝わっているかを知るということについてもアドバイスをしています。
こうした小さな場面からも、京都教育大学附属桃山小学校が教科として開発している「メディア・コミュニケーション科(MC)」の研究を丁寧に日々の授業の中にも落とし込んで、情報活用能力を育てていくという姿勢を感じることができました。
No.2に続きます。
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(為田)