2019年2月6日に、京都教育大学附属桃山小学校を訪問し、授業を見学させていただきました。今回は、木村明憲 先生が担任されている、5年1組のメディア・コミュニケーション(MC)の授業をレポートします。
メディアコミュニケーションの授業では、9班に分かれて調査をしてきていて、それぞれの班でデータをまとめているところでした。この時間では、各班でのデータのまとめ方を交流しました。
学習のめあてとして、木村先生は「友だちの班の提案から自分の班に生かせることをみつけよう」「友だちの班の提案にアドバイスしよう」を挙げました。これは、子どもたちが持っているパワーチェックカードでは、D-3.2「助言し合う」にあたります。先生が挙げるめあては、手元にあるパワーチェックカードで自分たちでも確認できるようになっています。(パワーチェックカードはここからDownloadできます)
各班で、アンケートなどのデータをまとめていました。児童に話を聞いてみると、学校に落ちているゴミの数を廊下や特別教室など分類ごとに数えてデータを集めたり、ロイロノート・スクールでアンケートを配布/回収してデータ取りをしたりしているようです。また、調査で得たデータはNumbersをつかって集計し、表やグラフにしてKeynoteやロイロノートに貼りつけてプレゼン資料を作成しているそうです。
各班がそれぞれのやり方でデータをまとめているので、Numbersでのデータの整理の仕方や、Numbersでの合計の計算の仕方などについては、それぞれに自分で調べたり先生に訊いたりしていたので、他の班へ行って方法を交流することで、自分の班に持ち帰れるようにする、という授業でした。
iPadでNumbersを使ってデータを加工している様子は、これまであまり見たことがなかったので新鮮でした。「表計算については、やはりPCがある方が便利では…?」となんとなく思っていたのですが、iPadでも表を作ったり計算をしたり、発表資料に表を貼り付けたり、子どもたちなりにどんどんできることを増やしているようでした。
データの中身についてのディスカッションもされていました。合計(sum)や平均(average)などの数式も積極的に使っていました。データをもとに、どのようなことが言えるのかということをグループで話し合うことができているのはとてもよかったと思います。また、「ある条件にあうものだけを数えるやり方(countif)があるはずだけど、countifあるはずだけど、やり方がわからない」というような質問も受けました。どんどん自習して、新しいやり方を身につけているようでした。
木村先生は「探究的な学習において、子どもたちが何かを提案する際には、しっかりと調査をし、データを取った上でそれを根拠として主張を述べることが重要である」と話していました。そのためには小学生の間から表計算ソフトやプレゼンテーションソフトを使えるようにするための指導、いわゆる情報活用能力を育成するための指導が必要であると思いました。
No.3に続きます。
blog.ict-in-education.jp
(為田)