2019年2月6日に、京都教育大学附属桃山小学校を訪問し、授業を見学させていただきました。今回は、中西和也 先生が担任されている、3年2組の社会の授業をレポートします。
この授業では、クラスの児童は、京都教育大学附属桃山小学校のそばにある御香宮神社を見学に行って、インタビュー結果をまとめてきていました。
児童は、手元のiPadに御香宮の見学のときに撮影した写真を見ることができます。手元にいつでも見られる写真があるというのはいいことだと思いました。
ここで中西先生から、テーマが設定されます。今回は、御香宮神社でインタビューをしたときの情報を、みんなでふりかえって、「御香宮神社を残すべきか?」という問題について、日本とアメリカの若い人たちの信仰と関連させて考えていきます。
中西先生が示した学習のめあては、「グラフから問題点を見つけ、御香宮を残すかどうか自分の考えを伝えよう(主張しよう)」ということでした。児童は、自分のiPadでロイロノート・スクールを起動して、そこでグラフを表示してみて、日米の違いを表にまとめていきます。
グラフを読み解きながら、アメリカと日本の、「信じている」から「信じていない」までの人数を比較していきます。グラフでは、簡単なデータを読み解くだけですが、ここから「なぜ?」を問えるかどうかが問題だと感じました。今回のテーマだと、単純な人数の比較ということももちろんできますが、「神様を信じていることと参拝する人が少なくなってきていることの関係があるのか、ということを問題とすることもできます。
考えていく仮説の中には、「神様を信じていない人が日本人は多い→神社に来ない」、逆に、「アメリカ人は信じていない人が少ない→神社に来る」というようなものもあり、これは他のデータも見てみたくなるようなテーマだなと感じました。例えば、「御香宮は、どんな人にきてほしいのか?外国人観光客か?」というのが追加でわかったり、グラフで「現状の参拝客の年齢別分布」があると、よりいろいろと考えられそうだと思いました。
この後、自分の考えをグループで交流しました。最初に個人の考えをまとめて、ホワイトボードには、「残すべき」「残さないべき」が両極になっている直線が引かれ、そこに名札を貼っていきました。
何人かの児童が、自分のiPadをモニターに映し出して、自分がそう考える理由を発表してくれました。
この時間の終了時には、意見としては「残すべき」の方が圧倒的に多い結果になりました。学年によってさまざまな意見が出そうなのと、追加でどのような資料を用意するかによって、学習のめあてをアレンジすることもできそうだと感じました。
No.4に続きます。
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(為田)