教育ICTリサーチ ブログ

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書籍ご紹介:こども哲学 おとな哲学 アーダコーダ『こども哲学ハンドブック』

 特定非営利活動法人 こども哲学 おとな哲学 アーダコーダさんから、『こども哲学ハンドブック』をお送りいただきました。ありがとうございます。

 アーダコーダが開催している「こども哲学ファシリテーター養成講座」のテキストをもとに再編、加筆修正されたものとのことで、「こども哲学」のファシリテーターをするときの実践知がたくさん詰まっている本だと思います。問いを立て、探究していくためのノウハウを知ることができます。
 副題にある、「自由に考え、自由に話す場のつくり方」というのは、本当に大切なことだと思っています。そうした場をどう作っていくのかは、授業設計においての大切なスキルだと思います(授業だけでなく、仕事の会議などでも同じですし、いろいろな場所で使えるスキルですね)。

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 こうして、こども哲学の裏側のノウハウを知ると、学校の授業との違いを考えます。一人1台の情報機器を持って、授業支援システムを利用して探究活動をする授業を行う学校も増えてきています。一人ひとりがじっくりと文章などを通じて自己表現をすることができ、クラスメイトの書いたことをたくさん読むことができるのは、とてもよいことだと思っています。
 一方で、この『こども哲学ハンドブック』で書かれているような、じっくりとみんなで探究をしていくのには、あまり授業支援システムなどは向いていないようにも思いました。流れる時間の感覚が違うのだと思います。

 一方で、Zoomなどのシステムを使うことで、遠い場所にいる人と一緒に、こども哲学をする、ということはどんどん実現していくように思います。

 実現したい、探究の活動の形をイメージし、どのようなツールと組み合わせて使うのか、授業設計を上手にすることが必要になる、と至極当たり前の結論にいたりました。一度、授業でじっくりと、この本に書かれているこども哲学の方法をやってみたいな、と思いました。

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 特定非営利活動法人 こども哲学 おとな哲学 アーダコーダさん、どうもありがとうございました。

(為田)