教育ICTリサーチ ブログ

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弘前市立千年小学校 授業レポート No.2(2019年12月6日)

 2019年12月6日に、弘前市立千年小学校を訪問し、村田真紀子 先生の4年1組の算数の授業を見学させていただきました。
 4年1組の算数の授業で使っていたiPadは、授業が終わった後で、班長さんがトレーにまとめて、ICTサポータさんと一緒に職員室へ戻しに行きました。千年小学校には全部でiPadが50台あり、職員室で管理をしているそうです。iPadの予約表は、職員室にバインダーに挟んで置いてあり、iPadを活用したい先生は、予約表に書き込んで利用します。こうして、誰でもが見られるようにしておくと、「あ、あの先生も使っているんだ」ということが誰にでもわかるので、活用を広げる際には有効な方法だと思います。
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 弘前市では、千年小学校をはじめとしたモデル校での活用が進んだ結果、市内全小中学校でロイロノート・スクールを導入が進んでおり、算数、国語、理科、体育などの授業で活用しているそうです。
 例えば、理科の授業では、シンキングツールの「Yチャート」を使って、さまざまなものを「じしゃくにつく」「じしゃくにつかない」「わからない」に分類するそうです。何度も簡単に分類をし直し、それをクラス全体で共有することができます。また、自分のポートフォリオとして分類結果をいつでも見ることができるのも、ICTを活用する利点となります。これを紙でやると、保存しておくのも大変ですし、分類を残しておくのが大変です。
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 カードを作るのが大変であれば、写真などを利用してもいいと思います。自分たちでさまざまなものを教室で磁石につくか実験してみて、そのときに撮影した写真を使うということもできます。また、先生が撮影した写真をたくさん素材として用意しておいて、分類に使うことも可能です。

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 今回、千年小学校をご紹介くださった、弘前市教育委員会学校整備課の竹内元気 さんは、「iPadは何台でもいいけど、誰もが良さに触れる機会があればいいと思う。高校、大学に進学して、弘前市出身の子たちが苦労してはならない。その責任が弘前市教育委員会にはある」とおっしゃっていました。
 公教育として、学校がどういった場であるか、責任感を感じる言葉だったと思います。子どもたちにとって、これから始まる学び多い人生の良いスタートとするべく、初等教育中等教育の持つ役割は大きいので、そこでどれだけデジタルが思考や表現のツールとなれるか、考えていかなければならないと思います。

 千年小学校では、この5年間で、WiFiタブレットの形を実装してきたそうです。学校に導入し、活用が進んでいくとだんだん注目を浴びるようになります。すると、学校側から「もう少し導入してほしい」という要望が上がり、それに応えて環境を整えていく…というふうにサイクルが生まれるようにしている、と竹内さんはおっしゃっていました。
 一気に導入を進めずとも、少しずつ活用を根付かせて、順次導入を進めていくというサイクルができるならば、モデルは常に最新型でなくてもいいと思います。千年小学校でいま使っているiPadは、iPad2でモデルとして最新型のものではありません。それででも、授業の中では子どもたちの思考のツールとして大きな役割を果たしていますし、この5年間で1台しか壊れていないそうです。

 弘前市千年小学校でのこうした実践を支えているのは、教育委員会と学校とICTサポータさんとで作っているサポート体制の良さにもよると思います。弘前市教育委員会では、学校とICTサポータが使う校務に関する部分では、MicrosoftのOffice 365 を利用しているそうです。教育委員会とICTサポータは、Teamsを使ってICT機器の状況などを共有しています。また、アンケートなどについても、Formsを使っているそうです。こうしたツールを使うことにより、情報共有は簡単にできるようになります。それによって、時間をかけずにすぐに対応するこということもできるようになります。
 学校の授業などでは目立たない、裏側のところでもICTを活用することで、学校の環境を整えていることを感じました。

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(為田)