2019年12月15日に、武蔵野大学附属千代田高等学院のアカデミック・リソースセンター(ARC)にて、schoolTakt★ガッカイが行われました。schoolTakt(スクールタクト)を使っている学校や教育機関が集まって活用事例を共有するイベントで、たくさんの先生方が参加されていました。
事例を共有するポスターセッションとワークショップの後、schoolTaktを開発している株式会社コードタクト 代表取締役 CEOの後藤正樹 さんから、schoolTaktのビジョンについてのプレゼンテーションがありました。以下、プレゼンテーションで興味深かったところをメモとしてまとめ、公開します。
まず最初に、schoolTaktの開発者である後藤さんの自己紹介が行われました。早稲田大学大学院にて研究をしていることについても話がありました。
この「倫理的問題で進まなくなったこと」をテクノロジーで可視化して、前に進めていく、というのは非常に興味深いと思います。実際にschoolTaktの活用をしている教室で先生方に話を聞いても、先生の見取りの能力と学級経営とをサポートしてくれている、というコメントを聞きます。
続いて、コードタクトのビジョンとミッションが紹介され、そこから「schoolTaktが考えていること」へと説明が続いていきました。
- コードタクトのミッションとビジョン
- ミッション:「学び」を革新し、自由に生きる世界を創る
- 時代にあった学びにアップデートさせることで、みんなが主体性を育み、才能を活かし、自由に生きる世界を創ることを目指します。
- ビジョン:チームワークあふれる「学びの場」を創る
- ICTを通じて、個別探究・協働学習・振り返りを支援し、みんなが自由にそして相互に承認されたチームワークにあふれる「学びの場」を創ることを目指します。
- スクールタクトが考えていること
- 個別学習×協働学習
- 個別最適化だけが先行すると、「どこを間違えたのか」というところを考えなくなってしまうのではないか?
- コンテンツ×メソッド×システムの3つが学びにとって必要。
- schoolTaktがシステム。コンテンツは指導要領。メソッドは学校ごとにある教育課程。
- この3つで時代にあった学力観へと導きたい。
- そのために、事例を集めたり、こうしたイベントでシェアをしたり、している。
- ログをAI分析して、非認知スキルをお互いに知り合うことで、協働する機会になるようにしたい。成果は、先生にも返すし、児童生徒にも返す。
- AI分析のために、ワードクラウドやいいねなどを活用
- AIを使ってテキストからパーソナル分析したりも(個人の感想文的なものをAIに突っ込むことで、BIG 5を利用して分析ができる)
学びに「コンテンツ×メソッド×システム」の3つが必要であるということは同感です。そして、schoolTaktなどICTがシステムの部分を担うことで、これまでには不可能だったこともできるようになってきています。システムがアップデートされることで、コンテンツをより活かすこともできるし、それによりメソッドも変わっていく、そうして学校/教育がアップデートしていけばいいと思います。
ポスターセッションで出た事例だけでなく、ここでもいくつかの事例が紹介されました。
- 朝ノート(小金井市立前原小学校)
- 登校したときに、今日の体調、気分、一日の学校生活に対する期待、昨日のMVPを書く。
- 自分に似た興味関心を持つ子を探すことができる。
- WEBQUをとって連携。
- オンライン読書会 タクトル
- Zoomを使ってチェックイン、30分で1章を読んで要約を書く。
- 残り30分で一人3分程度で要約を発表し合う。
- グループリフレクションを教員の負担減と生徒の主体性UP
- One on Oneでのミーティングはいいが、先生の負荷が高い。
- グループリフレクションを提案している。生徒4人+先生でチームを作って、4人チームでお互いに聴き合うことをしている。
また、今後のリリース予定についても触れられました。こちらも非常に楽しみです。
- 一斉授業がまだ多い。だからそこをなんとかしたい。
- 動画が再生できるように。
- PDFなどの資料も配布できるように。既読/未読管理も。
- 中長期的には…
- 自然言語解析
- PBL対応
システム(=schoolTakt)でできるようになったことが増えたとき、先生方の教室での武器が増えていく、というイメージだと思います。どんなことができるようになっていくのか、それが子どもたちの学びにどう繋がっていくのか、楽しみにしていたいと思います。
No.4に続きます。
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(為田)