2020年7月16日に、EdTech推進議員連盟の会合にお呼びいただき、話をしてきました。今回は、「Withコロナ禍での学校とEdTechについて」というタイトルで、ライフイズテックの讃井康智さん、COMPASSの神野元基さん、NTTコミュニケーションズの稲田友さん、Libryの後藤匠さんと一緒に、それぞれの立場からのプレゼンテーションをさせていただきました。
プレゼンテーションが終了してすぐに、稲田さんがnoteで資料をシェアされていまして、そのなかで「皆さんの報告、超良かったですが私から拡散はNGだと思うので、皆さんが公表してくれると良いなぁ、とか思っています(チラ)」とおっしゃっていたので、僕も自分の報告部分について、公開をしようと思います。
note.com
今回ご一緒させていただいた、ライフイズテックさん、COMPASSさん、NTTコミュニケーションズさん、Libryさんは、各社それぞれに自社サービスを開発し、このコロナ禍において子どもたちの学びを止めないために、それぞれの立場でさまざまな教育委員会や学校、先生方をサポートしてきている企業です。
そのなかで、弊社フューチャーインスティテュートは、自社サービスを持たず、教育コンサルの立場で、オンライン授業の実現のためのサポートや、オンライン授業事例を発信してきている立場なので、「学校が何をしてきたのか」「そんなに先進的な機材が揃っていない学校でもできることは何か」というところをお話しできればと思っていました。
経済産業省「未来の教室」の「新型コロナ感染症による学校休業対策 #学びを止めない未来の教室」のページで僕が執筆したレポートのなかから、3校の事例を紹介していきました。
www.learning-innovation.go.jp
事例1:横浜市立鴨居中学校「コミュニケーションを止めないことで学びを止めない」
「学びの伴走者でありたい」という思いから、コミュニケーションを止めないことで学びを止めない、という図式を描いています。多くの学校が使っているメール配信システムを使って、朝礼動画を配信したり、アンケートを実施したり、最先端のICTやEdTechを使わなくとも、学びを止めないための活動を行えることを示していると思います。
事例2:静岡県立掛川西高等学校「ミニマムスタンダードで時間割通りに全授業動画を配信し、学びを保障する」
静岡県立掛川西高校では、時間割通りにすべての授業動画を配信されていたそうです。ただし、授業動画は10分~15分くらいに圧縮して見てもらうようにしているそうです。授業動画を撮影する際には、同じ教科の先生と協力して撮影するので、授業をブラッシュアップする効果もあった、というふうにおっしゃっていました。こうした、「オンライン授業をすることで良くなった(部分もある)」ということも、全国にはいくつもの事例があると思います。
2020年7月7日には、静岡新聞で「オンライン教室 県立高で活用へ 掛川西モデルに拡大方針 県教委」という記事も掲載され、全県の高校に広げていく段階に入っているそうです。
事例3:小金井市立前原小学校「同期+非同期のハイブリッドで教室と同じ場をつくる」
小金井市立前原小学校では、「同期+非同期のハイブリッド」の形で、教室と同じ場を作ろうとしていました。同期にはZoom、非同期にはschoolTakt(スクールタクト)を活用しています。ただ、これは急に始めたことではなく、前原小学校ではずっと1人1台端末で、スクールタクトを使っていました。コロナ以前には教室でできていた「同期」が、教室が使えなくなってできなくなったので、同期の部分を補完するためにZoomを活用している、という形です。ハードを揃えるだけではなく、最低限のICTスキルは持っていて、ICT活用には慣れていなければいけないということに留意しなくてはなりません。
まとめ
短時間で3校の事例を紹介させていただきましたが、いずれの学校も「どういう学びの場でありたいのか」「どういう学びを実現したいのか」ということを明確にもって、そのうえでどんなEdTechを活用したいのか、ということを考えている事例だと思います。ただハードを整備するだけでなく、こうした「どういう学びを實現したいのか」が最初に明確にできるように、EdTech議連の皆さん、関わる皆さんと共にさまざまな形でのサポートができればと思いました。
事例として紹介した3校につきましては詳細はレポートをお読みいただく方がいいかと思いますので、QRコードで読み込める資料も作りましたので、こちらもお読みいただければと思います。
https://drive.google.com/file/d/18A37w83KFUN2MUCx-VX47YdsbX0co577/view?usp=sharingdrive.google.com
(為田)