教育ICTリサーチ ブログ

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佐賀県立佐賀商業高校 公開授業レポート(2019年12月13日)

 2019年12月13日に、佐賀県佐賀商業高校を訪問し、授業を見学させていただきました。12月13日~15日の期間、佐賀県教育フェスタを実施しており、全県立高校において公開授業を行っていました。
www.pref.saga.lg.jp

 佐賀県はすべての県立学校で電子黒板と無線LANの整備を終え、2014年度からすべての県立高校(全日制、定時制)で一人1台の学習用パソコンを導入しています。
 2019年12月に発表された、「平成30年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)【確定値】」のなかの、「都道府県別 学校における主なICT環境の整備状況」を見ても、佐賀県が全国トップの1.9人/台となっています。
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 佐賀県教育委員会は、ICTを活用した授業に期待する効果として、一人ひとりの個性や能力に応じた学習を展開することによる「興味・関心の高まり」「学習意欲の向上」「知識・理解の定着」「思考力・表現力の向上」などを挙げています。(参考:ICT利活用教育の導入背景と期待される効果

 実際にどのように使われているのかを見せていただくために、佐賀商業高校へ伺いました。各教室に電子黒板が配置されていて、Windowsタブレットが接続されています。わざわざ電子黒板を移動してきて、先生のPCと接続する、というような作業は一切ありません。
 先生方が端末を持ち歩く姿が多く見られました。授業を行う教室に自身の端末を持ってきて、電子黒板に用意してきたスライドや、指導者用デジタル教科書を提示していました。
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 教室の様子を見てみると、学習用パソコンを机の上に出している生徒も、出していない生徒もいました。電子黒板で提示されている問題と同じ問題を自分の学習用パソコンで表示して、メモをとったり線を引いたり、話し合ったりする姿も見られました。
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 2年生のプログラミングの授業を見学しましたが、情報処理検定の模擬試験問題に取り組んでいました。模擬試験なのでプリントで記述して答える形になっていますが、一人1台の学習用パソコンがあれば、実際に自分でプログラムを組みながら学習するということもできるので、こうした情報処理検定の対策の授業はまだまだ変わっていくかもしれないと思いました(同じように教材もどんどん変わっていけばいいな、と思います)。
 話し合いながら考えている感じがとてもよいと思いました。各自のPCを使って行うというようなプロジェクトもやっているのかもしれません。
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 今回は、公開されていた授業を見ていただけだったのですが、佐賀商業高校は部活動も非常に盛んな学校なので、部活での情報共有などでも学習用パソコンは活用されているかもしれない、と感じました。

(為田)