教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

休校×ICTでやれたこと No.2 「Googleフォームで健康観察」(備前市立香登小学校)

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府が打ち出した小中高校や特別支援学校などの臨時休校が2020年3月2日から始まりました。休校の状況にあっても、ICTを活用することで教育活動などを継続している学校の実践を「休校×ICTでやれたこと」として紹介していきます。

 今回は、岡山県備前市香登小学校の津下哲也先生からいただいた実践で、「Googleフォームで健康観察」です。

Q1:どんなふうに使っているかを具体的に教えて下さい。

津下先生:Google フォームを使って健康観察をする。毎週月曜実施予定。

  • <作成>
    • 学校専用のGoogleアカウントを取得(以前から取得済み)
    • フォームの作成。保護者の入力項目をなるべく少なくするよう配慮。(日付,学年・組,出席番号,健康状態の4項目,プルダウンとラジオボタン
    • プロトタイプを職員に提案し,実際にスマホ等でやってもらう。
  • <周知>
    • QRコードの作成
    • 案内文書の作成→荷物の引き取り時に配布。QRコード添付。裏面にフォームの事物物画面を印刷。
    • 普段使っているメール配信システムでも周知。フォームのアドレスとQRコードを添付。
  • <実施報告>
    • 3月9日(月)に第1回目実施
    • 午前中の回答率約70% → 再度報告をメールで依頼
    • 翌日3月10日の回答率は約90%へアップ。残りの家庭へ電話連絡。
    • 個別の回答が入力されたスプレッドシートを学年ごとにソート
    • スプレッドシートで,データを一覧で見ることができる。学年と番号でソートすることで,確認がとれていない家庭のみ,電話連絡をする。(下のデータはダミーです)
    • 円グラフで現在までに何件報告があるかといった情報や,学校全体で元気な児童,熱がある児童の割合などが,一目で分かる。(下のデータはダミーです)
    • 未報告の家庭へ個別に連絡して確認
    • 教職員の声→「子供の様子が一度に分かって安心」「簡単に一目で分かるのがよい」「働き方改革になる」
    • 次回からも,毎月曜日に実施
  • <その他>
    • 学校の実情にあわせて作成(基本的には,発熱等があった場合に連絡してもらう方針+定期的な健康状態の確認)
    • 職場で作成するところからシェアするところまで見てもらい,簡単にできることを知ってもらう。
    • 集計の方法も伝え,誰が報告していて,誰が報告していないかの確認方法も合わせて伝える。
    • 自分以外の教員にもやり方を教え,自分がいなくても回るシステムにする。

Q2:「もっとこうであればよかった」ということがもしあれば教えて下さい。

津下先生:特にありません。保護者のスマホ所持率は,ほぼ100%なので,googleフォームによる健康観察については,特にありません。みなさん前向きに協力的に動いて下さり,ありがたい限りです。
本校は,一人に一台のタブレット端末が整備されていますが,家庭環境においてはオフライン仕様になっています。事前に家庭のwi-fi所持率の調査ができており,その利用についてのコンセンサスがとれていたり,また,環境がない児童へのフォロー体制が整っていれば,今回のような休校などの場合,柔軟に対応(オンライン授業など)できたのではないかと思います。

まとめ

 我が家にも小学校6年生の息子がいまして、毎朝体温を測って、健康観察票に記録をしていますが、これはGoogleフォームで入力したら、学校側で常に先生が確認をすることができるし、友達関係なども含めて「一緒にいたからではないか?」などをリアルタイムで見ることができ、そこから家庭に連絡してみる、ということもできそうです。

 津下先生、どうもありがとうございました。

◆ ◆ ◆

 実践紹介と共に、「もっとこうであればよかった」も合わせてまとめておけば、GIGAスクール構想後の学校に役立つ知見になると思います。引き続き、フォームからの投稿を受け付けていますので、どうぞよろしくお願いします!

docs.google.com

(為田)