教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

休校×ICTでやれたこと No.17 「Hangouts Meetを利用した遠隔ホームルーム活動」(津田学園中学校)

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、2020年3月2日から始まった休校措置は、新年度になっても継続しています。休校の状況にあっても、ICTを活用することで教育活動などを継続している学校の実践を「休校×ICTでやれたこと」として紹介していきます。

 今回は、津田学園中学校の伊藤廉 先生と木村友哉 先生からいただいた実践で、「Hangouts Meetを利用した遠隔ホームルーム活動」です。

Q1:どんなふうに使っているかを具体的に教えて下さい。

 津田学園中学校では、ChromebookGoogle G SuiteのHangouts Meetを活用して、遠隔ホームルーム活動を実施しているそうです。

伊藤先生:自宅学習中のサポートのため、Google Chromebookと G Suiteのオンライン・ビデオ会議ツール 「Hangouts Meet」を利用して、遠隔ホームルーム活動を実施しました。学校の雰囲気を生徒に感じてもらうため、担任は、生徒が使用する実際の教室からインターネット接続を行いました。
休校期間に入り、毎日Google G Suiteのe-mail(Gmail)で連絡は取り合うものの顔を合わせる機会は減っていたため、久しぶりの再会となりました。
本日は校長先生にも参加していただき、にぎやかなホームルームとなりました。校長先生は「生徒たちの元気そうな顔を見られたことで、こちらも元気と勇気をもらえた」と言っていました。
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担任からは、まず体調についての問いかけがあり、生徒らはそれぞれに返答をしていました。続いて、日々の過ごし方や課題の進捗状況を報告してもらいました。生徒たちは初めはどこかぎこちなさもありましたが、Hangouts Meetを通じて友達の姿を見ることができ、次第にリラックスしていく様子が感じられました。
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なお、今回の取り組みはカメラで生徒の居室が映りこむことに配慮し、カメラ機能はオフにしておいてもよいと生徒には伝えてありました。

 こうして生徒同士でオンラインででも、「友達の姿を見ること」は本当に大事なのだと感じます。学校がこれまで担っていた、場を作る機能というのが、オンラインでも求められていると感じます。
 津田学園中学校では、普段は制服を着て登校しますが、今回の遠隔ホームルームでは服装は自由にしているそうです。「カメラ機能をオフにしておいてもよい」と事前に伝えてあるのもよかったのではないかと思います。お話を伺ってみると、「男子生徒の方がカメラをオフにする率が高く、女子の方が積極性が感じられます」とのことでした。
 こうした細かい知見はやってみないと蓄積されてこないところだと思います。

 遠隔ホームルームについては、今後も継続して行っていく方向性だということです。

Q2:「もっとこうであればよかった」ということがもしあれば教えて下さい。

 「もっとこうであればよかった」というふりかえりを、木村先生は以下のように書いてくれました。

木村先生:初めての遠隔ホームルームでは、生徒への問いかけに対して、順番に指名しても、答えられない生徒も少なくありませんでした。実際のHRとは違った緊張感があるからかもしれません。事前にGmailなどで確認事項(「本日の学習計画」や「課題の進捗状況」など)を共有してから始めるとよりスムーズに進められると思います。
マイクについては全員がオンにしておくことで、一人一人の声が実際のHRのようにリアクションとして帰ってくるので、つながりが感じられてよかったです。今後、生徒たちも遠隔ホームルームに慣れてくるとより自然なコミュニケーションが取れるようになってくると思いました。

 実際にやってみると、やる前には想像もつかなかったようなことも起こります。「あ、こういうのはルール化しておけばよかった」というのが出てきているのは、学校だけでなく、リモートワークを進めている社会人もまったく同じです。だからこそ、こうした知見を共有していくことは重要だと思いました。

 伊藤先生・木村先生、ありがとうございました。


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 実践紹介と共に、「もっとこうであればよかった」も合わせてまとめておけば、GIGAスクール構想後の学校に役立つ知見になると思います。引き続き、フォームからの投稿を受け付けていますので、どうぞよろしくお願いします!

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(為田)