2022年1月20日に、戸田市立美女木小学校を訪問し、自由にプレゼンテーション・ポスター・画像・動画などをデザインできるツール「Canva」を活用している授業を参観させていただきました。
この日、柘植優季 先生が担任する2年4組の算数の授業では、長さの勉強をゲーム形式にして楽しみながら学んでもらう授業を、GBL(Game Based Learning)と呼んで行っていました。担当されている「今日は長さの勉強をしたいと思います。長さって何?」と訊くと、子どもたちから「センチメートル!」「ミリメートル!」と答えが返ってきます。
先生は、「それじゃ、長さの単位が出てくる物語を見てもらおうかな」と言うと、「ゆうしゃロングのぼうけん ~ルーラーひめをすくえ~」という動画を手元のコンピュータからモニターに映します。
動画のなかには、センチメートル(cm)とミリメートル(mm)の文字が身体になっている、センチくんとミリちゃんが登場します。動画の中のキャラクターはしゃべります。キャラクターを先生が描き、セリフも学年の先生方で協力してアフレコしたそうです。この動画は、Canvaを使って2年生の先生たちで協力して作ったそうです。
画面のなかではゲームのようにメッセージが表示され、先生がそれを子どもたちに説明していきます。子どもたちは「ゲームみたい!」と楽しそうに反応しています。
動画を適宜止めながら、先生は「お城の前の大きな川はどれくらいかな?」「500mくらい」というふうに長さについて考えてもらいながら情報を補足していきます。大きな川を渡るために、センチくん(cm)とミリちゃん(mm)だけでは足りず、メートル王(m)という新しいキャラクターが登場します。ここで、「メートル王は、センチくん何人分だろう?」という換算への導入へと繋がっていきます。
ゲームのストーリーになっていること、親しみやすいキャラクターがいることで、長さの単位について考えていくモチベーションを作っていきました。
このあと、魔法陣とカードを出して、単位換算をグループごとにできる活動に入りました。「メートル王を召喚するために、センチくんは100人必要。ミリちゃんは1000人必要」と言い、「順番に2枚カードをめくって、“50と50”とか“30と70”のように、合わせて100になったら、メートル王を召喚できます」していくというルールを紹介します。
メートル王やセンチくんたちが印刷されたカードと、カードを置く魔法陣は、Wordで先生が作って印刷し、ラミネート加工したものでした。動画の中にも登場していたメートル王やセンチくんなどのオリジナルキャラクターが教材に登場することで、子どもたちは楽しんで学習活動をすることができます。こうした教材作りにも、Canvaが役立てられていました。
今回のカードや動画などのような、プリント以外のオリジナル教材をデザインするためのツールがあまりなく、これまで先生方はさまざまな工夫をされてきたと思いますが、Canvaはオリジナル教材作成のひとつの選択肢となり得るのではないかと感じました。
No.2へ続きます。
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(為田)