教育ICTリサーチ ブログ

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教育・学びの未来を創造する プラットフォームin戸田 第5回 イベントレポート(2022年2月5日)

 2022年2月5日にオンラインで開催されました、教育・学びの未来を創造する プラットフォームin戸田にゲストスピーカーとして参加させていただきました。今回いただいたテーマは、「非認知能力を育むためのICTの活用とは」でした。僕は、ICT活用と非認知能力とを組み合わせて話すことは今まであまりなかったので、自分自身としても非常に新鮮でした。
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 そもそも、非認知能力とは何だろう?ということで、小塩真司 先生の『非認知能力 概念・測定と教育の可能性』で紹介されている15の心理特性を紹介しました。
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 より詳細には、この本『非認知能力 概念・測定と教育の可能性』を紹介するブログを書いていますので、興味をお持ちになった方はぜひどうぞ(もちろん、本を読むのがいちばんよいです)。
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 そのうえで、こうした15の心理特性のどこに働きかけるような授業ができるのかを、自分がしている淑徳小学校での3年生の授業を題材にしてご紹介しました。
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 基調講演のあとで、コーディネーターの戸田市立新曽小学校の加藤貴嗣 校長先生に、新曽小学校でのICT×非認知能力を伸ばす取り組みを伺いました。自分たちでルールを作る、ルールメイキングの授業の様子などが紹介されました。
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 オンライン講演だったので、随時チャットで質問やコメントなどをもらっていました。新曽小学校での取り組みなどにも関心をもってくださる先生方が多かったなか、「非認知能力はどうやって測るのか?」「どう測定できますか」というコメントが多かったのがとても印象的でした。

 この件については、トークセッションでも、その後のブレイクアウトルームでもお話しましたが、測定できない非認知能力もあるし、測定できるものもあると思っています。でも、測定できない非認知能力であっても、「あの子、こういうところが良くなってきたね」と先生方は子どもたちを見て評価していることが多いと思っています。先生方の知見でそうして子どもたちの非認知能力の成長を見とれているのではないかと思います。
 ICTを活用することで、子どもたちの考えていることや表現したことを、今までよりもたくさん先生は見られるようになります。成果だけでなく、過程も見られるようになります。そのときに、「非認知能力を伸ばそう」と意識して言葉をかけるか、「(非認知能力のなかの)楽観性を伸ばしてあげたいな」と意識して言葉をかけるかで、違いが生まれてくるのではないかと思います。
 さらに、先生だけでなく子どもたち同士でお互いに「これいいね」と言い合うシーンも増えるでしょう。子どもたち同士での言葉に、先生が価値づけをしてあげることで、子どもたちの成長はさらに促されると思います。これは、学校だからこそできることですし、先生方にしかできない仕事だと思います。

 またチャットとブレイクアウトルームでお話をさせていただいた先生方から現場の視点を伺えて、とても学びが多かったです。非認知能力とICT活用、自分自身でもさらに学び続けたいと思います。

 参加してくださった皆様、事務局の皆様、こうした機会をいただきまして、本当にありがとうございました。

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(為田)