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御殿場西高等学校 授業レポート No.2(2022年6月29日)

 2022年6月29日に御殿場西高等学校を訪問し、吉田昇平先生が担当する1年生の数学の授業「命題と条件」を参観させていただきました。

 吉田先生は電子黒板を使って「命題と条件」について解説していきます。重要なキーワードは付箋が貼られているように隠されていて、説明が進むにつれて付箋が外されていくようになっています。こうした形式の授業は、一人1台のChromebookがなかったときと同じように思えますが、電子黒板で提示しながら話を進めることで、先生が板書することがなくなり、生徒たちの表情を見る時間を増やすことができるようになります。また、生徒に黒板と配布したプリントの空欄を見比べて埋めていく作業をするよりも、共に考える授業をすることができるのではないかと思います。

「p, q を条件として、p(仮定)⇒q(結論)を命題という」の解説が終わると、「xはカラス⇒xは黒い鳥」のような「仮定と結論」を考える練習課題に移りました。
 生徒たちを9つのグループに分けて、「仮定」と「結論」の例を考えてもらいます。それぞれのグループで「仮定」と「結論」を考えて、グループに割り当てられたJamboardのページに書いてもらいます。
 一人1台のChromebookがあるので、みんなで同時にページに例を書き込む事ができます。「xはブドウ⇒xは果物である」など例を書きながら、グループで話し合いをしていき、グループのページに「仮定⇒結論」を書いていきます。
 すべてのグループがJamboardのページを書き終えたら、吉田先生は順にページを提示しながら、クラスで出てきた「仮定⇒結論」についてレビューしていきます。

 その後、プリントを配布して、問題に取り組みます。先生は電子黒板を使って解説をしていきます。問題のなかで「実数」が出てきたときに、ある生徒が「実数って何?」とつぶやいたときに、隣の席の生徒が「実数」について検索して、Chromebookの画面を見せてあげていました。一人1台のChromebookがあるので、自分で気になったことをどんどん検索して、自分で復習することもできます。そのうち、自分で調べる習慣ができていくのではないかと思います。

 電子黒板の大画面を使って、生徒一人ひとりがどんなふうに問題を解いたのかを共有していく授業もできていくと思います。Jamboard以外にもさまざまなツールを使っていくことで、一人1台のChromebookを活用した数学の授業はどんどん変わっていくのではないかと感じました。

 No.3に続きます。
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(為田)