教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

192Cafe公開イベント#4「Review2020-2022〜過去から未来を創る~」レポート(2022年8月10日)

 2022年8月10日に192Cafe公開イベント#4「Review2020-2022〜過去から未来を創る~」が、対面とオンラインのハイブリッドで開催されました。192Cafeは、私立小学校の先生方を中心としたコミュニティで、事務局としてお手伝いをさせていただいています。

 今回、僕がKeynote Speechを担当させていただくことになりました。私立小学校の先生方のコミュニティである192Cafeのイベントにこうして参加している先生方は、デジタルの活用に積極的な先生が多いので、ICTを活用した授業事例の紹介は最小限にして、それよりも「これからデジタルをどう学校に取り入れていくのか」を考える機会になるようなテーマを、と思ってKeynote Speechを準備しました。

 Keynote Speechの中で、「学校がFuture Readyになる」ために2つのことを実現できたらいいと思う、とお伝えしました。

  • デジタルを思考・表現のツールとして活用できる
  • 他者を受け止めることができる。他者と議論ができる。
    • Somewhereな人たちとAnywhereな人たち(参考:『未来を生きるスキル』
    • 他者と話して、他者と協働する意味を知り、楽しみを知る。

 この2つは、学校で学ぶからこそ意味があることだと思っています。また、学校でしかこうしたことを学べない子どももいると思っています。だからこそ、学校がこうした環境を作ってくれるといいと思っています。

 Keynote Speechの後は、敬愛小学校の龍達也 校長先生、さとえ学園小学校の山中 昭岳 先生、日本女子大学附属豊明小学校の田中栄太郎 先生が登壇されたパネルディスカッションで、モデレーターを務めさせていただきました。
 それぞれの学校で、一人1台の情報端末を活用した学びを実現していますが、それぞれにどんなことをしているのか、どんな方向性を描いているのか、ということについて、僕のような学校外の人間にはできない内容を聴くことができました。

 パネルディスカッションのなかで、いろいろと考えるテーマの種を見つけてもらい、それをもとに長めの時間をとったテーブルトークを行いました。1グループ4人~5人ずつでそれぞれにディスカッションを。なるべくたくさん先生方に話してもらいたいと思っていました。
 それぞれの学校によって置かれている状況は違うので、そうした個別の話を思い切り長い時間をとってしてもらえるようにしました。

 今回のイベントに参加されている先生方は、それぞれの勤務校でも先頭に立ってデジタルを活用している先生が多いと思うのですが、デジタルを活用した学びを横に展開していくことも大切です。そのために情報を共有したり、課題を相談したり、協力して何かを成し遂げるような仲間を見つける場所として、192Cafeが活用されればいいと思っています。

 私立小学校の先生方は、「私学だからできる」ということを言われることも多いと言います。そして、それはある程度事実だとも思います。私学には私学の良さがもちろんあります。
 ただ、だからと言って公立学校が「私学は別」と諦めるようでは困ります。私学だからできることを突き詰めていくことで、そこから公立学校が学べることもたくさんあると思います。日本全体を見れば、私学よりも公立学校の方が圧倒的に多いわけなので、日本の公教育が良くなるように、先生方のサポートをしていきたいと思っています。

 会場でご参加いただいた先生方、またオンラインで参加してくださった先生方、皆様、本当にありがとうございました。

(為田)