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森村学園初等部 授業レポート No.3(2022年12月14日)

 2022年12月14日に森村学園初等部を訪問し、5年生を対象にして行われたLIXILユニバーサル・ラン<スポーツ義足体験授業>の授業を参観させていただきました。授業の主催は水まわりと住宅設備のメーカーである株式会社LIXILです。LIXILでは子どもたちの多様性への理解を育むため、2017年から全国の小学校で当授業を実施しています。
 子どもたちは、授業を実施する前にNHK for Schoolを見て義足について学び、ロイロノート・スクールを使ってワークシートに感想を書いて提出をしていました。
 今回のユニバーサル・ランの授業の後で、同じワークシートに池田樹生 選手(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社所属)とふれあって、義足を体験することで、感じたこと・新しい気づきを書いてもらって提出してもらっています。

 今回の授業を企画してくださった森村学園初等部の黒澤友美 先生が、子どもたちの感想を見せてくれました。

  • 私は義足、樹生さんとの授業を通して、みんなの個性それぞれは一人一人違って自分だけの『世界に一つの宝物』ということが伝わりました!世界には心は男、体は女など性同一性障害ジェンダーなどで悩んでいる人がいます。そんな人たちにも今日学んだことが繋がってきているから、一人一人違うのは当たり前でいいことだと思って人生は勿論迷惑はかけてはダメだけれど、自分が好きなように幸せでいられるように生きていくのが1番の幸せだと思うので、もし体の一部が失われていたりしても気にせず『みんなはみんな』と関わりに一歩入れていきたいと思います。
  • 手足が無くても頑張れば生活出来るんだと実感しました。でも、「出来ないことがあるのは仕方ない。」と皆んなが言ってくれても、自分でちゃんと努力することが大切だと思いました。
  • 障害者でもみんなと同じ事ができる。そして障害者はどこか不自由でもどこかすごく強い(みんなよりもできる)ところがあるということです。障害があるのにあんなに早く走れるなんて…本当に、勉強になった!
  • ミッキーさんは、義手、義足をしていても、毎日が楽しいように見えました。そして、新しい気づきは、障害を持つ方のお手伝いをしたいな!と思いました。
  • 私は義足体験をした時、「思ったよりも難しい」と思いました。そんな義足をいつも使っていて、前向きに過ごしているミッキーさんはすごいと思います。そんなミッキーさんも、「障害」ということを理由に後ろ向きになっている時があったことにもびっくりしたし、そこから前向きに直すことができてそれもまたスゴいと思いました。
  • まず、ミッキーの走りを見てすごいなぁと感心した。クラスの誰よりも速かったし、綺麗だった。実際に、義足体験をしたら、想像していたよりも難しくて、驚いた。また、私のグループのものは結構大きくて大変だった。義足をつけていると、バランスが取りづらくて、よろけそうになった。3つのコツは、前を見ることと、肩の力を抜くこと、足の裏(義足の)を地面にきちんとつけること♪その後の、多様性についての授業も興味深かった。色々学べたぁ~。このような体験は貴重なものだと思うし、もうできないだろうから、きちんと胸にしまっておきたい。

 実際に義足を体験してみること、義足を使っている人と話をすることで、子どもたちの気づきが生まれているように思います。
 特に、池田選手(ミッキー)が言っていた、「小学校2年生くらいのとき、障がいをできない言い訳に使っていた時期があった」という言葉に触れている子もいて、こうした部分は当事者からの一人称での言葉を受け取るからこそ出てくる学びではないかと思いました。

 「おまけ」に続きます。
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(為田)