「みんなのコード」と宮城教育大学附属小学校が2020年から3年間に渡って共同で取り組んできた「コンピュータサイエンス(CS)教育」授業の実践・研究・カリキュラム開発を行う実証研究プロジェクトの「2022年度報告書」が発表されました。報告書がオンラインで公開されています。
報告書の最初には、コンピュータサイエンスの授業がどのような活動を目指すのかが書かれていました(p.8)。
プログラミング等の体験的・探究的な活動を通して
- コンピュータの仕組みや情報の科学的な理解について系統的に学んでいく
- デジタル社会の歩き方を子供自身が見出していく
最後の「デジタル社会の歩き方を子供自身が見出していく」というところが僕は好きです。こう書かれていると、プログラミングをただ少し触って体験してみる授業を入口としたその先に、どんな活動や体験を用意すればいいのか、ということを考えやすくなると思いました。
僕は、プログラミングの活動を通して、「失敗を恐れずに何度でもやってみること(←デジタルだったら簡単)」「間違いを見つけてすぐに直していくこと(←プログラミングのデバッグは成果が出やすい)」という姿勢を子どもたちに身につけてもらいたいと思っています。そうした姿勢が、「デジタル社会の歩き方」に繋がっていくのではないかな、と思っています。
そうした視点で、報告書の中にある「コンピュータサイエンス系統表案」と「1年生から6年生の年間指導計画」を見てみると、宮城教育大学附属小学校で20時間かけてやっていた活動をそのまま自分の学校で年間計画に組み込むのは難しくても、どういった要素をまず学校で子どもたちに伝えたらいいのかを考えることはできると思います。
1年生から6年生までの実践授業も紹介されているので、宮城教育大学附属小学校の子どもたちと先生方が作ってきた学びを、自分の学校の授業にも実装できるところを探せるのではないかと思います。
(為田)