月刊私塾界の塾ニュースのところで、「明光義塾が塾講師の実話に基づく感動的なショートムービーを公開」という記事を読みました。
www.shijyukukai.jp
そこで見られるムービーはこちら。全国約2100教室に在籍している約2万人の講師の中から、それぞれが実際に体験した956の感動エピ ソードが寄せられ、そこから選び抜いた2つの実話を原案にムービーを制作したものだそうです。
いや、泣きそうになりました…。
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明光義塾の講師が体験した実話なので、「こうしたこともあるだろうな」ととても思いました。そして、個別指導だからこそできるいいところだな、とも思いました。一般的には、個別指導が、学習者の多様性に対して、いちばん対応しやすいと思っているからです。
僕は新卒で学習塾を運営している企業に入って、一斉指導塾も個別指導塾も体験させてもらって、その後、今も在籍しているフューチャーインスティテュートの設立に関わらせてもらってからは、自分たちで教室もやっていたし、学校に出張して授業をするのも幼稚園・小学校・中学校・高校とさせてもらいました。そうしてやってきて思うことは、人の学び方は多様だな、ということです。このムービーの中に出てくるように、付箋を通じてしかコミュニケーションできない子もいます。エンジンのかかるのが遅い子もいます。そうした子にとっては、自分の学びのペースやスタイルが、担当の先生と合っていれば楽しいけれど、そうでなければ学びは辛いことも多いだろうな、と思います。
きっと、こんなふうに一人ひとりに向きあう時間がほしいな、と思っている学校の先生もたくさんいるだろうな、と。でも、公教育ではなかなか少人数クラスを作れるわけではないですし、実現はなかなか難しい、と思っている先生がたくさんいると思うのです。
そうした先生たちにとって、いまトレンドになっている「教育の情報化」は、実はいい機会にもなるのではないかな、と思ったのです。教育にICTを持ち込むことで、こうした学び方の多様性にはある程度の解決策が与えられるんじゃないかな、と思うのです。
例えば、
- 先生たちの丸付けにかかっている時間を効率化することで、一人ひとりに関われる時間を増やす
- 教科書と黒板で学ぶスタイルが苦手(=文字と言葉で学ぶのが苦手)な子に、アニメや動画などの教材を使ってフォローをできる
- 自分のスタイルに合った先生の授業(日本中探せば、きっといる!)をいつでも見ることができる
- 教室と教室外をSkypeなどで同時に何回線も結んで、学校外の人との対話の場を作る
- 自分のペースでじっくり何度も話を聴きたい子に、授業動画を何度も見直せるようにする
- 教室では発言はできないけど、オンラインでチャットだったら話ができる
- どんどん先に進みたい人には、自動的に出題されるエンジンを使って、どんどん進めるようになって、その進捗を先生がオンラインで把握できる
などなど、いろんなことができそうだな、と思います。多様な学びのスタイルを児童生徒たちに与えるために、ICTだけでなくて新しい教材や機材など、どんどん教育現場で使えればいいのにな、と思いました。
(学校も、学習塾も含めて)先生たちの原点って、このムービーの中にあるような気がしているのです。こうしたストーリーが学校で生れるように、テクノロジーは何をできるのか、考えていきたいし、教育現場を手伝っていきたいな、と思っています。(自分で教壇に立つのも大好きなので、続けますけどね!)
(研究員・為田)