平成27年度第1回東京都教育モニターアンケート集計結果「都立学校におけるICT環境の整備及びICT教育の推進について」というサイトを見ました。アンケートをとっているのは東京都教育委員会で、平成27年9月に実施、回答者数が99名中82名となっています。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/soumu/27-1monita.htmlwww.kyoiku.metro.tokyo.jp
東京都教育モニターって何?
教育モニターってどんな人なんだろう?と気になったので検索してみると、募集のページがありました。資格など、以下転載します。
3 応募資格
以下の条件を全て満たす方
- 都内に居住する年齢満15歳以上の方(平成27年4月1日現在)
- 国又は地方公共団体の議会議員及び常勤の公務員でない方
- 平成26年度東京都教育モニター経験者でない方
- 個人の電子メールアドレスを有し(携帯電話及びフリーメールのアドレスを除く。)、インターネットによるホームページの閲覧及び電子メールの送受信を日本語でできる方
- 教育に関心があり、モニターの職務を積極的に行うことができる方
6 主な仕事
- (1)都立学校授業参観、(2) 小中学校道徳授業地区公開講座の参観、(3) 教育の日推進事業への参加
- 上記1.(1)~(3) に関する報告書の提出
- インターネットによるアンケートへの回答(年3回程度)
- その他教育に関する意見・要望等の提出(随時)
なるほど。全然学校のことを知らないのに印象で回答していたらいやだな、と心配していたのですが、きちんと授業参観などをされている、ということですね。
東京都教育モニターによるアンケート結果
以下、アンケートの問いのなかから、興味深かったところだけメモします。
都立高校の校内LANの整備、ICT機器の配備とそれらを活用した授業の実施について、知っていたと知らなかったでほぼ半々くらいになるのですね。
さらに、どんな機器が配備されているか、という問いには、パソコン、プロジェクタが半数を超えましたが、タブレットや実物投影機などは少なめの数字です。
僕としては、「どんな機器が配備されているか」よりも、「どのように利活用できると思うか」が気になりました。問3です。圧倒的に多いのは「音声・画像・動画の活用による分かりやすい授業」だったのですね。持ち帰り学習、少ないな…。
問4は、「ICT利活用による生徒への効果として、期待できるのは?」というもの。トップは「学習意欲の向上」で5割ちょっと。その後は、2割ほどの「各教科の学力向上」「ICT利活用技術の向上」となっています。
この問い、もう一歩つっこんで進めてほしいですね。「学習意欲の向上」のために「どうICTを利活用するのか」というところまで出てほしい。もちろん、そこは教育モニターの仕事ではないとも思うのですが。
問5は、「ICT利活用推進のため、教員に必要な能力」を聴いています。約6割が「ICTを活用した授業を行う能力」と答えています。これ、それはそうでしょう、という感想しかないですね。「ICTを活用した授業」にもいろいろな形があるし、いろいろな目的を達成するためにICTを利活用するので、ちょっと残念。
ただ、「先生が使う」のと「生徒が使う」のと、どちらをイメージしているかというと、教育モニターのアンケートを見る限りは、「先生が使う」というのをイメージしている方が多いのだな、と思いました。
問6、東京都教育委員会が学校への支援として更に充実すべき取組。先行事例の研究・報告会の実施が少ないですね…。僕は、先行事例の報告+活用方法に関する研修の合わせ技がいいかな、と思っています。
問11は、「これからますますICTの利活用を図る取組は必要になります」というものですね。
まとめ
ざっと読んでみて、教育モニターがどんな職業なのかがわからないし、どんな視点で見たかがわからないので、数字だけでなくコメントなど定性的なものも公開してほしいな、と思いました。
また、同じ設問を、都立学校の先生方に訊いたら、どんなふうな結果になるのだろうか、というのには興味があります。ICT導入は、とにかく現場が目指している方向と一致していなければ活用が続かないので、アンケートとってほしいですね。「教える側」として見るのではなく、「学ぶ側」として答えてもらうアンケートを、先生方対象にやってほしいと思います。
今度、研修の中で、アクティビティとしてやってみようかな。
(為田)