2016年7月21日に、デジハリで行われた特別講演「ケヴィン・ケリー氏が語る 誰もがパイオニアになれる未来 <インターネット>の次に来るもの」に参加してきました。お声かけいただき、本当にありがとうございます。デジハリのファミリー感のあるイベント。弊社フューチャーインスティテュートは、デジハリの会議室で設立準備をしていた会社なのでした。
ケヴィン・ケリーさんとは?
僕のようにICTに関係する仕事をしている人ならば、ケヴィン・ケリーさんの文章や書籍については、目にする機会が多いのではないかと思います。特別講演の最初に、司会をつとめられた服部桂さんが、「Who is Kevin Kelly?」として、紹介をしてくれていました。
- 1952年生まれ
- ヒッピーになって、テクノロジーを拒否した生き方。アジアを放浪。
- カメラマンとして写真集も出している。アジアの失われている風景を緻密に撮っている。
- 「Whole Earth Catalog」、1960年代を象徴するDITなカタログ誌。地球全体をみんなで眺めて、そうした意識で生きていく。
- 「Whole Earth Catalog」の編集および制作者となるスチュワート・ブランドと会う
- スティーブン・レヴィーと会う
- Cyberthon(1990年)
- 第一次VRブーム
- WIREDの誕生、創刊編集長に。
- 「Whole Earth Review」
- 著書に『テクニウム』、『What Technology Wants』など。
- 『テクニウム』は予言的な本。今回は、より具体的で実践的。現実的に、我々がどこに進んでいるかが示されている。(司会の橋本大也さん)
ケヴィン・ケリーさんの新刊『〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則 』
今回は、新刊『〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則 』の発刊記念講演会。会場で売られていた新刊も購入して、講演を聴きました。
ケヴィンさんの語られた内容から、「お!」と思ったポイントをメモとしてまとめておきたいと思います。
なるほど。この「テクノロジーは全部繋がっていて、全体の方向は予見できるが詳細はわからない」とか、考えたこともなかったので、非常におもしろいと思いました。そして、このテクノロジーの全体の中に、教育は入っていて、それがアダプティブラーニングだったり、反転学習だったり、N高校だったり、するのだろうなあ、と感じました。
続いて、新刊の中から、いくつかこれからの動きを紹介してくれました。
- スマート化、Cognifying
- AI、AIは不可避。すでに実現もしている。
- 「AI」と呼んでいないだけで、世界中に別の名前でAIは存在している。法律事務所、飛行機の操縦補助においても、AIという名前が使われていないだけ。
- 3つのテクノロジーがからみ合って、新しいAIを作り出せる
- Artificial Smartness
- 計算機は人間よりもスマートだ。地図も人間よりも空間認識において優っている。
- これでは、「人間のようである」ことに意味はない。
- IQの進歩は、1本のリニアな線ではない。もっと複雑である。何百、何千というスキルを組み合わせている。
- さまざまな複雑な要素を考えると、動物の方が勝っている部分も当然、ある。
- 機械の方がずっと得意な分野もあるだろう。だが、その逆もある。
- 新しい形のデリバー
- これまで手でやっていたものに、電気をつけることによるオルタナティブ
- AIは電気みたいになる、流れてくる
- アメリカのトラックドライバーの半分は自動運転になる。それで職をなくした人は、新しい仕事につかなければ。
- Robots will make new jobs for humans
- 生産性が重要ではないところに、これから向けの企業あるかも。
- AIと人間の関わり方
- ケンタウロスみたいな、関わり方もあり。
機械(AI)と人間が組み合わさる、ケンタウロスの形は教育の業界的には非常に魅力的だと感じました。子どもたちもケンタウロス的な形でテクノロジーを武器にして社会に出て行くくらいじゃないとダメかもしれないと思うのです。
MRやVRは、教育にも大きく入ってくるだろうな。N高校がどんなふうになるのかはわからないけれど、少なくとも教室での学びにももっとMRやVRが入るようになるかもしれない、とか思います。
最後のテーマはTrackingでした。
- Tracking
- 健康データ等、さまざまなものを追跡している
- Anything that can be measured will be.
なるほど…。問題なのはバランスだろうなあ。テクノロジーで測れるものは何でも測ればいいとは思うものの、それは測られたら気持ち悪いだろう…という感情との激突は起こるような気がします。でも、Amazonのレコメンドも最初は気持ち悪かったわけだから、だんだん慣れて平気になるのかもしれない。
最後に、ケヴィン・ケリーさんは、「次の20年の最高の製品は、「まだ」発明されていない」というスライドを出していました。なるほど。そうだよな。最新テクノロジーにもっと敏感にならないといけないな…と思いました。
後編へ続きます。
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(為田)