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アイロボット プログラミングロボット「Root」オンライン記者発表会 レポート(2021年1月19日)

 2021年1月19日に、アイロボットジャパン合同会社で行われた、プログラミングロボット「Root」の日本展開と、全国の小学校へ1000台無償提供する「みんなでRoot!プロジェクト」のオンライン記者発表会に登壇させていただきました。
 2020年春から、弊社フューチャーインスティテュートは、このプログラミングロボット「Root」のプロジェクトに参加し、Rootエデュケーショナル・インストラクターとして、小学校で先生方に授業で使っていただくための教材開発や、パイロット授業の実施などを行ってきました。

 オンライン記者発表会では、日本全国でパイロット授業を実施してきたことについてお話をしたのですが、そのなかでも特に、「Rootの、プログラミング教育の教材として4つの魅力」をここで紹介したいと思います。

  1. 人の役に立つ実用的なロボットとして「未来」を感じさせてくれる
    実際に授業をしてみると、子どもたちの多くが、ロボット掃除機としてのルンバを知っています。だからこそ、ルンバでどんな動きができるのか、掃除機としてどんな機能があればいいのか、ということを考えやすいと思います。
    だからこそ、Rootのサイトで公開している指導案では、「人の役に立つロボット掃除機をプログラムしよう」というテーマで、プロジェクト学習もできるようにしています。
  2. プログラミング教育の第一歩としての敷居の低さ​
    Rootを手にして動かせることが、プログラミングをはじめてする子どもたちにも先生方にも、親しみやすいと思います。実際に教室でRootに触れた子どもたちの多くは、「かわいい!」という声をあげます。そうして親しみを持てた対象だからこそ、「こうやって動かしたい!」というふうに動機づけにつながると思います。
    また、Rootをプログラムするアプリである「iRobot Coding」(ブラウザでも利用可能)では、動かすこと、光らせること、音を出すことなど、多様な機能を最初から使うことができます。ブロックの組み方だけを最初に理解すれば、最初から自分のやりたいことに取り組むことができます。
  3. プログラミング教育の拡張性
    iRobot Coding」では、ブロックを使ったプログラミングから、テキストコーディングまで、3つのLevelで幅広く学べます。Rootに慣れてくるほどに、子どもたちは、「先生、こういうのはできないの?」とより細かい動きの制御や機能を求めてきます。そのときに、Levelを上げてRootをプログラムすころができます。
    また、ペンを挿して線を描いたりすることもできるので、「人の役に立つロボット掃除機をプログラムしよう」からスタートして、正多角形を描く算数の授業などでも使ったり、曲を演奏させたりすることで音楽の授業で使ったりすることもできます。
  4. テクノロジーで問題を解決するロールモデルの存在
    最後に、iRobot、ルンバの存在と、iRobotの創設者・CEOのコリン・アングルさんが、子どもたちが教室で触れるRootから、ロボットが実際に人の生活の役に立っていること、ロボットが社会を変えていること、を実際に感じさせる、ロールモデルになると思います。ロボットのプログラミング教材はさまざまありますが、いろいろなことができるからこそ、焦点を絞りにくい部分もあると思います。これは、これからプログラミング教育を始めようとする先生方からは、ちょっと大変だと思っています。そのため、ルンバという親しみがすでにあるテクノロジーをベースにしたRootが教室で果たせる役割は大きいのではないかと思っています。

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 オンライン記者会見のなかでは、為田が毎週アフタースクールでの授業をしている、淑徳小学校の3年生の授業の様子を録画した映像も流されました。Rootについての説明は最初の10分足らずで、あとは「いいこと思いついた!」「これ、どう!?」とどんどん子どもたちが自由に学んでいく様子をみていただけました。「こういうのやってみたい!」という子どもたちの思いを加速できるのが、Rootの良さだと思っています。また、こうした思いの先に、テクノロジーで社会を変えよう、というiRobot、ルンバの思いがあるのだと思っています。
 Rootエデュケーショナル・インストラクターとして、Rootを活用したプログラミング教育を広げ、テクノロジーで社会を変える子どもたちを育てる活動に参画していきたいと思っています。
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プログラミングロボット Root | 事例 | iRobot Education

 オンライン記者会見の様子を、いくつかのメディアで取り上げていただきました。ぜひ、お読みいいただければと思います。

edtechzine.jp

ict-enews.net

www.kyobun.co.jp

japanese.engadget.com

(為田)