2021年11月18日~21日までの4日間、Edvation x Summit 2021 Onlineが開催されています。申込みをすれば、たくさんのセッションをオンラインで聴講することができます。僕はYouTubeで見ていましたが、チャットでのコメントも活用しています。
参加できなかった学校の先生方が少しでもエッセンスを知れたらいいなと思い、僕が参加したセッションについては、聴きながらメモをまとめたTwitterを公開していこうと思います。
www.edvationxsummit.jp
オープニングセッション
Day1の最初は、一般社団法人 教育イノベーション協議会 代表理事 デジタルハリウッド大学 教授・学長補佐、佐藤昌宏 先生によるオープニングセッションです。
佐藤先生は、「Edvationは、EdTech x innovationだと思っています」と言います。EdTech→「デジタルテクノロジー(最先端だけでなく、表計算などの汎用テクノロジーも)を活用した/がもたらす、教育(公教育も私教育も、全世代向け)のイノベーション(=before/afterを作れる)」。 #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
Edvation x Summitの目的は、「1.新しい教育の選択肢を知っていただくこと 2.既成概念にとらわれない教育イノベーターを生み出すこと」 #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
これまでも佐藤先生のお話を伺う機会は何度かあったのですが、佐藤先生が「デジタルテクノロジー」には、最先端のものだけでなく表計算ソフトなどの汎用的なテクノロジーも入れているのが大事なポイントだと思っています。
ブログを検索していたら、3年前にデジハリの近未来教育フォーラムで伺ったログが出てきました。佐藤先生がこの3年で、「トップダウン」「ボトムアップ」「イノベーター支援」の形で成し遂げたことは、本当に多いと思います。学校の先生方に届けなくては、学習者である子どもたちに届けなくては、といつも思わされます。
セッション「Learning over Education 教育から学びへ」
次は、伊藤穰一さん(株式会社デジタルガレージ 共同創業者・取締役)による、「Learning over Education 教育から学びへ」のセッションでした。
セッションタイトルになっている、「教育」と「学び」の違いについてのところがおもしろかったです。それと、最近デジタルコミュニケーションの本を読んでいて、よく参考文献に挙がっていたり、研究が参照されている、伊藤瑞子 先生が、伊藤穰一さんの妹だと知って、びっくりしました…。
学びは自分で自分のためにすること、教育は誰かがしてくれること。Student-DrivenとTeacher-Drivenが両方存在する。伊藤瑞子さんが伊藤穰一さんの妹さんなの、知らなかった…。瑞子さんは兄を研究対象にしている、という話。人が育っていく、というのは本当に多様だな。 #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
兄妹で、同じ家庭で育ったのに、学び方も全然違ったし、「内在的動機(Intrinsic Motivation) vs 外在的動機(Extrinsic Motivation)」という感じで学ぶための動機なども全然違った、という話をされていました。
セッション「オンラインでもアクティブラーナーを育むには」
次のセッションは、「オンラインでもアクティブラーナーを育むには」で、登壇されるのは、松下博さん(株式会社ウィザス執行役員/第一学院高等学校 常務理事)、葉一さん(教育YouTuber)、山田政寛先生(九州大学 基幹教育院・ラーニングアナリティクスセンター 准教授/ミシガン大学 客員研究員)、石田紗英子(フリーアナウンサー)でした。
「アクティブラーナーとは、どういう存在なのか」ということを、研究者、学校現場、学校の外から学びに関わる人、というそれぞれの立場から聴くことができて、おもしろいセッションでした。
第一学院が考えるアクティブラーナー=「生涯にわたって主体的に前向きに学び続け自ら考え行動できる人」「できない理由を探すのではなく、前向きに取り組む人」(松下さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
「学習者だけでなく、周りにいる大人も、いろいろなものさしをもって接するということが重要」(松下さん)→教科の学習だけでなく、他の部分も評価できるように、と。 #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
「主体的に学ぶようになるには、子どもたちが成功体験ができること。やればできる、がんばったら成果が出る、という経験をもたせることが重要。勉強は努力の結果が出やすいものだと思う。YouTubeで努力したら結果が出るという経験ができる。」(葉一さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
「社会人が“社会をこうしていきたい”というのは解があるものではない。そのために失敗を乗り越えながら自分の能力を発揮していく。大学や社会人に求められているアクティブラーナー像はそういうもの。その前段階として、ポジティブなイメージで上がっていけるのが大事だと思う」(山田先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
「葉一さんのYouTubeは、学習の動機づけのARCSモデル、スモールステップで学んでいく、という理にかなっていて、よくできていると思っています」(山田先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
「もともと勉強が苦手な子たちをイメージして作っている。映像を通して授業をすれば集中が続かないのは見えていた。だから、ゴールを最初に見せるように意識してやっている」(葉一さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
山田先生の所属する、九州大学基幹教育院でのアクティブ・ラーナー像は、「学び続けることを幹に持つ、未知な問題や状況にも果敢に挑戦するスピリットと行動力を備えた人」。こちらのサイトで見られます。 https://t.co/Uvni65YSRR #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
葉一さんの「ある男が授業をしてみた」は、コロナ禍で登録者数も大幅に増えた。「YouTubeやSNSを通じて、子どもたち、保護者、学校の先生方とやりとりをしてきたここ1~2年だった。」(葉一さん)。https://t.co/1PcIu6mRbi #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
「保護者と学校の先生からの評価はすごく変わったと思います。YouTubeの社会的イメージがあまりよくなかったなかで、休校期間で食べず嫌いだったものを使うようになり、信頼を得るようになった。いまはPTA向けの講演も増えている」(葉一さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
「第一学院にも、葉一さんのYouTubeを見ている子は多くいる。自分で何をどうやって学ぶか、というのを決めていくなかで、葉一さんのYouTubeが選択肢に入っている」(松下さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
「子どもたちは居場所を求めているので、オンライン上でもみんなで集まれる場を作った。そうしたものは、生徒にも保護者にも評価された。全国にキャンパスがあるので、生徒たちに選んでもらえるコンテンツを生み出せた。進化した実感がある」(松下さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
第一学院では、成長実感型教育をやっている。Feelnoteを使って成長実績を整理し、成長度MAPで成長実感を見える化し、成長・チャレンジの意欲へつなげている。先生はいままで見とっていただけでなく、見える化されたものを使って生徒に接することができるようになっている。 #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
「最初は“今日はこれやった”程度しか書けなかったふりかえりが、だんだんより深い内容を書けるようになっていく」(松下さん)→これは、Feelnoteなどツールの問題なのか、デジタルも含めて居場所を作ったことによる場の力なのか、考えたいところだなあ、と思う。 #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
ここで松下さんが紹介されていた、Feelnoteを使ってふりかえり/リフレクションをする、というのはとてもいいと思います。最初は簡単なことを少しだけしか書けなかったリフレクションが、だんだん書けるようになっていく、というのは自分で教室で子どもたちの様子を見ていても感じることがあります。
「成功したときにも、”なぜできたんだろう?”とリフレクションする、発展的に次に繋がるリフレクションを。Feelnoteなどを解析して、次に繋がるサイクルを作れば、ICTが効いてくると思います。教員が一人でやると大変なので、とてもおもしろいと思います」(山田先生) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 18, 2021
「次に繋がっているのか」などが解析されるとおもしろいな、と思いました。このあたりは、山田先生のご専門のラーニング・アナリティクス(Learning Analytics)と繋がっていくし、教育ビッグデータとも関連していくと、より多面的に子どもたちの学びをサポートできるのではないかと思いました。
No.2に続きます。
blog.ict-in-education.jp
(為田)