教育ICTリサーチ ブログ

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書籍ご紹介:『ポスト・コロナショックの学校で教師が考えておきたいこと』

 東洋館出版社 編『ポスト・コロナショックの学校で教師が考えておきたいこと』を読みました。たくさんの方が、書かれていていろいろな視点で「ポスト・コロナショックの学校で教師が考えておきたいこと」を知ることができます。

 そのなかで、土居正博 先生が書かれていた、飛沫飛散対策にもつながる、書く学習についての実践がとても興味深かったです。少し長いですが、引用します。

書く学習は、飛沫飛散対策にもつながるので積極的に行えるはずです。先述のような休校に伴う書く機会と考える機会の減少、そして学校再開後も子ども同士の活発な対話活動などの交流は制限されるであろうことなどをふまえて考えると、今こそ書く学習の充実が求められていると言えます。国語科の授業を中心に、書く活動を多く取り入れていきましょう。
ただし、ここで注意が必要なのは、先述のように書く学習はなかなかハードルの高い、難しい学習だということです。(略)
そこでおすすめなのは、普段の授業内容に関する書く活動(考えを書く、振り返りを書くなど)だけでなく、「楽しく書く活動」も短時間でいいので授業冒頭などに取り入れていくことです。活動を通して、子どもたちに「書くことって案外楽しいな」「嫌いじゃないな」と、書くことの楽しさを味わわせるようにするのです。そうすれば子どもは自信をつけ、普段の授業での自分の考えを書く活動でもどんどん書けるようになっていきます。
例えば、「指定ワード作文」という活動があります。これは、指定された言葉を必ず入れて、物語を書く活動です。(略)指定する語はなるべく名詞にすると、子どもたちも物語を考えやすく、面白い話が出てきます。また、何回かくり返していくうちに「鉤括弧を使うこと」とか「オノマトペを使うこと」などと条件をさらに指定すると、言語事項や表現技法なども楽しく学習することができます。
子どもたちは、はじめこそ「えー! 書けるかなぁ」などと口にしますが、書き始めると、教師の想像以上に真剣に取り組みます。普段はあまり取り組まない書くことが苦手な子も一生懸命書こうとします。一人一人が物語を考えることを楽しみつつも、集中して黙々と取り組むので、教室にはシーンとして適度な緊張感のある、「心地よい静寂」が保たれます。(p.113-114)

 「指定ワード作文」、おもしろそうです。盛り上がりそう。schoolTaktやロイロノート・スクールなどの授業支援ツールを使ってもいいと思いますし、Googleクラスルームなどで共有して見られるようにしてもいいかな、と思いました。
 原稿用紙にえんぴつで文章を書くのと比べると、タイピングさえできるようになれば書き直しや推敲を簡単にできるのがデジタルのいいところだと思います。いつもの作文とは少し違う作品を子どもたちが書くところが見えるのではないかな、と思いました。

(為田)