教育ICTリサーチ ブログ

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新渡戸文化中学校 授業レポート No.3(2020年9月4日)

 2020年9月4日に、新渡戸文化中学校を訪問し、英語の山本崇雄 先生と数学の芥隆司 先生が担当する数学×英語のクロスカリキュラムの授業を参観させていただきました。授業は大きなオーディオビジュアルルームで行われ、3時間目から5時間目までのクロスカリキュラムの授業を、中学1年生から中学3年生まで3学年一緒に受けていました。

 昼休みをはさんで、“英語と数学が学校で出会うストーリー“作りを本格的にスタートさせていきます。そのために、iPadを使ってARを作る方法を芥先生は説明していきます。Keynoteに写真を挿入したり、描画モードやテキストボックスを使ってARで表示したいものを作ります。生徒たちは、スプリットビューでKeynoteとカメラロールを左右に表示させるなど、慣れた手つきでiPadを操作していきます。
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 そうして作った画像をARmakrで読み込んで、実際の風景のなかに置いていきます。ARmakrでは、置いたものを動かすこともできます。

AR Makr

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 ARの作り方だけではなくて、山本先生からは「triangleやpentagonなど、形を英語で言う機会は、日常ではあまりないかもしれないけれど、"英語が数学みたいなところ”はいろいろあります。例えば、イコールの役割をするbe動詞とかが近いかも知れない。このイコールの関係であるものを写真の中に入れてもいいと思います」というふうに、英語と数学のクロスカリキュラムならではアドバイスもされていました。
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 生徒たちは、いろいろな場所にARを入れて撮影をしていました。現実の風景のなかに、自分たちの作ったオブジェクトが仮想的に配置できて映るのは、現実空間と仮想空間が混じり合う感じで、非常におもしろく、見学に来られていた先生方も、生徒たちと一緒にARの素材になったりしていました。
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 英語と数学がクロスカリキュラムになっているだけでなく、生徒と先生が一緒に「Creation(創造)」に関われる授業となっていたのが非常に印象的でした。
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 グループでARを作るときに、それぞれの役割を分担していましたが、自分の得意なところや好きなところがそれぞれに違うので、アイデアを出すのが好きな人、絵を描くのが好きな人、というふうにそれぞれの強みでCreation(創造)に関われる活動になっていたのがいいなと思いました。
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 数学と英語を、社会の中に新しい形で組み込んで、それを表現する授業になっているのがおもしろいと思います。

 No.4に続きます。
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(為田)