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新渡戸文化中学校 授業レポート No.1(2020年10月30日)

 2020年10月30日に新渡戸文化中学校を訪問し、山本崇雄 先生が担当されている、中学校1年生~3年生合同の英語の授業を参観させていただきました。この日はハロウィンで、授業前に生徒たちはお互いに写真を撮影し合ったりもしていました。こういう光景が学校で見られるのも、一人1台のiPadが、「自分の文房具」として定着しているからだと思います。学校から借りている備品では、自分の好きな写真をどんどん撮影していく、ということはないでしょう。
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 山本先生は、授業を始めるときに生徒たちに「Close your iPad」「Close your eyes, please take a deep breath. Focus on breathing.」と言って、授業に集中する環境を作っていました。写真を撮影し合って楽しく盛り上がっているところから、授業の姿勢を自分たちで作れるようになってほしい、という自律を求める学校の姿勢が見えたように思いました。

 今回の授業では、これまでにグループに分かれてKeynoteで作っていたデジタル絵本を、新渡戸文化子ども園の子たちに見せてあげる活動を行いました。
 山本先生は「みんながいるところに子どもたちが来ます。Keynoteを一緒に操作してあげたり、お話をしてあげたりしてください」と言い、生徒たちはiPadをもって中庭へ出ていきます。
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 中庭に出ると、子ども園の園児たちがクラスごとに代わる代わるやってきます。中学生たちはiPadを開いて、Keynoteで作ったデジタル絵本を見せてあげます。中学生たちは、言葉をかけるだけでなく、身振り手振り、表情も使って楽しませてあげていました。
 Keynoteで作ったデジタル絵本は、ゲーム形式やクイズ形式になっているので、子ども園の園児たちも、iPadの画面をタップしたりしながらコンテンツを楽しむことができていました。
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 デジタル絵本を一緒に楽しんだ後は、一緒に記念撮影をしてもらって、それをどんどんPadletに残していき、感想を書いていきました。
 自分たちが作ったコンテンツを実際に子ども園の子どもたちが楽しんでくれるのを目の前で見られるのは、「創造」へのモチベーションが高まると思います。「創る」ことと、それを見る/使う人がたくさんいることは、こうしたプロジェクトを行うのに大切だと思います。
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 子ども園の子たちが帰ったら、教室へ戻って授業のまとめを行いました。新渡戸文化中学校では、三者面談で生徒がどんなことを学んでいるのかをプレゼンテーションするそうで、山本先生は、「今日の活動も、山本先生が撮影した写真もあるので、欲しい人は言ってください」と生徒たちに伝えていました。
 写真だけでなく、Padletに残した感想などを使って、生徒たちは自分の学びをふりかえり、プレゼンテーションにしていくことが求められるそうです。こうして自分たちの活動や学びを、自分の言葉でプレゼンテーションするのも、とても大切だと思います。
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 No.2へ続きます。
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(為田)