2020年10月7日に新渡戸文化中学校を訪問し、午後のクロスカリキュラムの授業を参観させていただきました。午後のクロスカリキュラムは、「Happyな学校を作る」を目標に、4つのテーマのどれに取り組むかを決め、学園祭である新渡戸祭のときに発表をする機会もあります。
4つのテーマは、以下のようなもので、それぞれのテーマごとに2名ずつの先生がアサインされていました。「Happyな学校を作る」という目標に合わせて、生徒たちにとって身近なテーマが並びます。
- 授業を充実させるには
- 授業改善の提案、教室環境、整理整頓、清掃など企業での取り組みから学ぶ
- 新渡戸ごはんを充実させるには
- 企業での食の考え方、FSCの困りごと、新型コロナと給食など
- 生徒が主役の組織のあり方
- 生徒会、委員会、係、起業など
- 放課後をアップデート
- 宿題、部活、クロスカリキュラムなど
午後のクロスカリキュラムの授業会場になっていたオーディオビジュアルルームには、そこに先生たちが蔵書をたくさん持ってきていました。先生によって、持ってくる本の種類も個性が出て、こうした面を生徒たちが見られるのもとてもいいと思いました。
生徒たちは、これらの本を眺めながら、自分のテーマに近い、使えそうな本を探していきます。今後プロジェクトが進むと興味がわいて、「先生、こんな本ないの?」と訊かれるようにもなっていくと思います。
こうした活動も、クロスカリキュラムで複数の先生が関わることでよりおもしろくなることだと思います。生徒たちは、自分の関わるテーマに合わせて、自分の興味、先生の専門性、本やネットなどアナログとデジタルを合わせたたくさんの情報、外部への取材などから来る体験などをたくさん得て、それらを点と点を結びつけていくように、テーマに取り組んでいくようになっていくと思います。
クロスカリキュラムの統括をされている山本崇雄 先生は、このクロスカリキュラムに「中学生の“学びが楽しい”と“遊びたい”の併存」を実現したいとおっしゃっていました。
また、授業の評価は、年度末の発表会で大人からのフィードバックをもらう形で行おうという構想だそうです。大人からのフィードバックが、生徒たちにどんな影響をもたらすのか。時間をかけてプロジェクトにじっくりと取り組めるクロスカリキュラムのこれからの展開が楽しみです。
(為田)